ボールの種類(表面素材)
ボウリングレッスンでも述べましたが、 本気で上手くなりたいのなら、マイボールは必需品です。
最初は安い物でいいでしょう。
あなたの手に合わせてドリルするということが一番重要なので、それでも充分効果は得られます。
まずは安い物で練習して、充分慣れたら、高価な曲がるボールを購入すればいいと思います。
以下に、各種ボール(表面素材)についてまとめています。
現在流通しているボールの種類別に、その説明と、適した使用方法を載せておりますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
ただし、曲がるかどうかについては、個人の球質によりますので、曲がる回転じゃないとどんなボールでも曲がってくれません。
実際に選ぶ際には、必ず自分の球質を把握した上で、プロやドリラーに御相談下さい。
エボナイト (硬質ゴム) | 曲がり:★☆☆☆☆、寿命:★★★☆☆、価格:なし |
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現在は生産されていない化石ボール。 1970年頃のボウリングブーム時代の主流で、ほとんど曲がらない。 このボールをお持ちの方、悪い事は言いません。現代のボールをお求め下さい。 |
ポリエステル | 曲がり:★☆☆☆☆、寿命:★★★★★、価格:\7,000〜\10,000 |
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長所: デザインが多彩 / 短所: あまり曲がらない | |
1970年頃に登場した素材。値段が安いので初心者向け。 中級者以上ではスペア用として、更に個性も出したい場合はオススメの素材。 |
ハードポリエステル | 曲がり:★☆☆☆☆、寿命:★★★★☆、価格:\12,000〜\14,000 |
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長所: レーンコンディションに左右されない / 短所: 若干割れ・欠けしやすい | |
10ピンカバー用に特化した素材。中〜上級者向け。 硬度が規定最高レベルで、ほとんど曲がらない。 |
ポリウレタン (ピュアウレタン) | 曲がり:★★☆☆☆、寿命:★★★★★、価格:\10,000〜\20,000 |
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長所: 1球で事足りるユーティリティー性 / 短所: 1投目のパワー不足 | |
1980年頃に登場した素材で、第2次ブームの立役者。 ストライクもスペアも狙いやすいので、初心者や趣味・適度な運動目的の方に最適。 最近では、いわゆる曲がるボール用のコアを搭載した、ドライレーン用ボールの素材として、再び注目されるようになってきている。 |
リアクティブウレタン | 曲がり:★★★☆☆、寿命:★★☆☆☆、価格:\20,000〜\50,000 |
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長所: オイルがない所ではしっかり曲がる / 短所: 動きがオイル分布に左右される | |
1990年代に、1投目(ストライク)用として開発された革命的素材。中級〜上級者向け。 ポリウレタンに可塑剤を添加したもので、いわゆる曲がるボールのパイオニア。 オイル上では走り、オイルが切れると曲がりだす。ミディアム〜オイリーコンディション向け。 |
現在では、このリアクティブウレタンをベースに、様々な添加剤を加えたり、 材質の吸油性を向上させたりするなど、更なる開発が進んでいます。
リアクティブパール | 曲がり:★★★☆☆、走り:★★★★☆、寿命:★★★☆☆ |
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長所: オイルが少なめのレーンに強い / 短所: キャリーダウンに弱い | |
リアクティブウレタンにパール粒子を混ぜて、オイルゾーンでの走りを強化した素材。 ボールスピードが遅いシニアや女性にとっては、必要不可欠なボール。 |
ハイブリッド リアクティブ | 曲がり:★★★★☆、走り:★★★☆☆、寿命:★★☆☆☆ |
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長所: どんなレーンにも合わせやすい / 短所: ボールに頼ってしまう | |
ソリッドとパールの中間的な粒子配合により、双方の欠点を克服した万能素材。 あまりにも扱いやすいが為に、これに頼り過ぎてしまうと、自分の技術向上の妨げになるかも…。 |
ソリッドリアクティブ | 曲がり:★★★★☆、走り:★★☆☆☆、寿命:★★☆☆☆ |
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長所: オイルが多めのレーンに強い / 短所: 寿命が短くなりやすい | |
粒子を混ぜることなく、素材自身の吸油性をアップさせるなどして性能を強化したボール。 パーティクル系は粒子欠損で性能が落ちやすい為、現在はこのタイプが主流になっている。 |
パーティクル | 曲がり:★★★★★、走り:★☆☆☆☆、寿命:★☆☆☆☆ |
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長所: オイルが多いレーンに強い / 短所: 性能が劣化しやすい | |
リアクティブにマイカ、シリカ、カーバイド等の固形粒子を添加して摩擦力を向上させ、オイルに敏感な欠点を克服したボール。(スタッドレスタイヤの様なイメージ) 曲がり出しが早い為、オイリーレーンで重宝する。ボールスピードがない方には不向き。上級者向け。 |
ナノパーティクル | 曲がり:★★★★★、走り:★★☆☆☆、寿命:★★☆☆☆ |
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長所: ピンヒットがかなり強い / 短所: しっかり走らせる必要がある | |
粒子をナノレベルに細かくして添加し、よりオイルに強くなったボール。 粒子が細かい分やや光沢がある表面だが、その見た目に騙されてはいけない。 走ってキレるがオイルにも強い、正に最強のパフォーマンスを見せつける。 ただ、スピードのない日本人ではポリッシュが必要な場合がある。 |
ボールの種類(コア)
これまでは、表面素材の分類でしたが、リアクティブウレタンが登場してからは、 コア(ボールの中心付近にある重り)についても、フッキングの強化を求めて、進化を遂げてきています。
表面素材がボールの動きに約70%影響するのに対し、コアは25%程度ではありますが、 ボールの性能を決める重要な要素ですので、こちらも是非チェックしておきましょう。
ウエイトブロック | 転がり:★☆☆☆☆、キレ:★☆☆☆☆ |
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長所: 真っ直ぐ行きやすい / 短所: もの足りなさ | |
指穴を削る分の重量を補填する為に埋め込まれている。 ボールの動きへの影響は、ほぼ皆無。 |
電球型 | 転がり:★★★★★、キレ:★★☆☆☆ |
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長所: 転がり感が強い / 短所: キレがない | |
ボールの転がりを最重要視したコアで、アーク状の軌跡を描く。 比重の高いコアであれば、ピンアクションも十分期待できる。 |
コマ(キノコ)型 | 転がり:★★★★☆、キレ:★★★☆☆ |
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長所: 扱いやすい / 短所: 若干ハデさで劣る | |
転がり感を強くしたコア。 扱いやすいので、初〜中級者の方にオススメ。 |
円柱型・三角錐型 | 転がり:★★★☆☆、キレ:★★★★☆ |
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長所: フリップ感が強い / 短所: 若干転がりにくい | |
フリップ感を強くしたコアで、バックエンドでの動きが大きくなる。 |
アレイ型 | 転がり:★★★★☆、キレ:★★★★☆ |
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長所: 比較的扱いやすい上に当たりが強い / 短所: ボールに頼ってしまう | |
強い転がり感とフリップ感を兼ね備えたコア。コマ型と円柱型両方の性質を持つ。 私が思う最強のコアの形状。非対称なら尚更。 |
非対称コア (マスバイアスボール) | 転がり:★‐1、キレ:★+1 |
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長所: バックエンドリアクションが強くなる / 短所: 扱いにくい | |
上記コア型(ウエイトブロック以外)の一部に、更にブロックを追加するか、大きくカットすることで、
コアの断面を軸に対して左右非対称にしたコア。(現在はカットする方が主流) 転がりの不安定性を強調することで、ボールの動き出しやバックエンドリアクションが若干変化する。 但し、ドリルレイアウトや投球で失敗すると、逆にパフォーマンスが悪くなってしまうことがあり、扱いが難しいため、上級者向けとなる。 |
カタログの読み方
ボールを探す時、プロショップに置いてあるカタログを見てみると、 様々なボールのデータが載っているのはいいのですが、その意味がサッパリ分かりません。
これらのパラメータは、ボールの性能を表しているもので、もしその意味を知っていれば、 漠然とでもそのボールの動き方をイメージすることができるでしょう。
以下に一般的なパラメータの意味を示しています。
ただ、数値に関して、緑字のものは全メーカー共通(絶対評価)ですが、
それ以外は同一メーカーの製品でしか比べる事はできない(相対評価)ので、注意が必要です。
カバーストック - Coverstock
ボールのシェル(表面素材)のこと。
ボールの動きの70%を決定する最重要項目です。
詳しくは、こちら(前項)を参照。
(メーカーが好き勝手に名前を付けているので、見てもその素材の種類がほとんど判別できないものが多いです。)
硬度 - Hardness
ボール表面の硬さのこと。カバーストックの補足情報。
数値が大きい程、硬くて走りやすく、小さい程、柔らかくて曲がりやすい。
規定により、72(低)〜78(中)〜90(高)の範囲と決められており、
ポリエステルは中〜高程度、ウレタン系なら低〜中程度となっている。
コア - Core
ボールの内部、核の部分に当たる重りのこと。
ボールの動きの25%を決定する重要な項目の1つ。
この形状により、ボールの動きの質を変えることができる。(RGやΔRGの値に影響する。)
詳しくは、こちら(前項)を参照。
RG - Radius of Gyration
回転半径のこと。別名、慣性モーメント。
数値が大きい(質量分布が周辺に寄っている)ほど転がりにくく、小さい(質量分布が中心に寄っている)ほど転がりやすい。
規定により、2.430〜2.466〜2.501〜2.535(低1〜3)、2.536〜2.571〜2.606〜2.640(中1〜3)、
2.641〜2.676〜2.711〜2.746〜2.800(高1〜4)の範囲と決められている。
曲がるボールのほとんどが低2〜中1の範囲内で、スペアボールは高程度。
また、「よく転がる」言われるボールは「2.500」前後、一般的には「2.550」前後のものが多い。
ΔRG - Differential of RG
回転半径差(最大RGと最小RGの差)のこと。回転軸のブレ、不安定性。フレアポテンシャルと同義。
数値が大きい程、コアの形状が細長い為フレアが大きく出て、小さい程、コアの形状が真球に近い為フレアが出にくい。
(フレアについては、後述のフレアポテンシャルを参照)
規定により、0.000(低)〜0.033(中)〜0.060(高)の範囲と決められている。
マスバイアス差 - Differential of Massbias
コアの重心がボールの中心からどれくらいズレているかということ。
コア自体がズレていたり、コアが非対称(ブロックを追加、或は一部を削る)になることで発生する。
数値が大きいほどキレが強く(回転の移り変わりが速く)なる。
だいたい、0.000(低)〜0.020(中)〜0.030(高)の範囲だが、現状、規定はない。
スキッド - Skid
レーン手前からオイルが切れるまでのゾーンにおいての直進性のこと。
RGにカバーストック、表面加工の要素を加えた指標。
数値が大きい程、走りやすい。(直進性が高い、転がりにくい。)
1(低)〜6(中)〜10+(高)の範囲で表される。
バックエンド - Back End
オイルが切れてからの動きの大きさのこと。いわゆるキレの良さ。
数値が大きい程、ドライゾーンで大きく曲がる。
1(低)〜6(中)〜10+(高)の範囲で表される。
フックポテンシャル - Hook Poteintial
ボールがフックする潜在的な力のこと。
あくまで潜在力であり、ボール自身がフックする訳ではありません。
数値が大きい程、レーン手前からピンヒットまでの全体的に曲がりが大きい。
1(低)〜12(中)〜24(高)の範囲で表される。
フレアポテンシャル - Flare Poteintial
フレアの幅を広げる潜在的な力のこと。
フレアとは、トラックがボールの回転軸移動によりその軌跡の場所を変えてゆく現象ことで、
常に新しい接地面に変わることで、レーンキャッチがしやすくなる効果がある。
数値が大きい程、フレア幅が大きく出て曲がりやすくなる。
0(低)〜5(中)〜10(高)の範囲で表される。
フィニッシュ - Factory Finished
工場最終仕上げのこと。箱出し時のボールの表面仕上げ状態。
どの程度やすりをかけたり、磨いたりしているかということ。
基本的に、この状態がそのボールの最高のパフォーマンスを発揮できる。
書かれている数字(Grid)は、同心円状に付けられたやすりの目のことで、
大抵、オイルに強いボールは数字が小さく(目が粗く)、弱いボールは大きく(目が細かく)設定されている。
320(かなり粗い)〜1000(粗い)〜1500(普通)〜2000(細かい)〜4000(かなり細かい)の範囲で表される。
更に、Polish(ポリッシュ)と書かれているなら、研磨剤で磨き上げて光沢を出している。(走りやすくなる。)
色 - Color
ボールのシェル(表面素材)の色。
現在は、2〜3色混合のマーブル模様が主流。
最終的に迷ったら、あなたのセンスで決めるのもあり?
香り - Fregrance
ボールのシェルに芳香剤が添加されている。
ほぼストーム社系のボール限定。
手が臭くなるので、私は好きではない。(車に裸で置いとくと匂いが充満する…)
レーンコンディション - Lane Condition
レーンのオイル分布状態のこと。オイル量とオイルゾーンの長さで表される。
オイル量の表現のみで、長さの意味も含んでいる場合もある。
ヘビー(Heavy):オイル量が多い(速い)レーン
ミディアム(Midium):オイル量が中間的なレーン
ライト/ドライ(Light/Dry):オイル量が少ない(遅い)レーン
ロング(Long):オイルゾーンの長さが長い(44フィート前後の)レーン
ミディアム(Midium):オイルゾーンの長さが中間(40フィート前後位)のレーン
ショート(Short):オイルゾーンの長さが短い(36フィート前後の)レーン
説明文 - Explanation
そのボールの謳い文句、コメント。
大抵、メーカーや販売会社専属のプロやテスターのコメントで、良い事しか書いてない広告みたいなもの。
それに、ボールの動き、パフォーマンスは、その人の球質によるので、ほとんど当てにしてはいけない。
そのボールの大雑把な特徴を捉えて、自分の求めるものに近いかの参考にするくらいに止めるべきでしょう。
一番いいのは、そのボールを実際に投げた時の動きを見ること。
なんですが、そんなチャンスはなかなかありません。
あったとしても、それであなたの球質に合うかどうかも分かりません。
カタログを見てこれがいいだろうと思っても、実際に購入してドリルして投げてみないと分からない、というのが本当のところです。
総支配人の経験上、カタログで見るべき項目は、
「レーンコンディション適正」「カバーストック(素材の種類)」「コア(対称か非対称か)」「説明文(参考程度)」くらいです。
ボールはとても高価なので、信頼できるドリラーがいるセンターで相談、注文、ドリルしてもらうのがベストでしょう。
▼ 【ボウリング講座】カタログに載っているデータとは? - YouTube
メインボールを選ぶ為の診断表
メインボールは、1個目ならば自分に合っていて、ホームとしているセンター(あなたがいつも通っているボウリング場) のレーンコンディションに合っているボールを選びましょう。
下にメインボールを選ぶ上での診断表を示しています。
1個目は、この表で見い出された条件に合うボールを選べば、まず間違いはないでしょう。
フォームが完全に決まるまでは、いろいろなタイプのボールを試してみるのも一手です。
走り、キレ、曲がり
の3要素をどの程度求めるのかも、判断材料にして下さい。
2個目以降は、他のレーンコンディションに対応できるボールを選びましょう。
参考までに、ラインナップの一例を示します。
1個目:万能型でどんなコンディションでも対応できるハイブリッドリアクティブ
2個目:テンピンスペア用のハードポリエステル
3個目:ブレイクダウンやドライコンディションに対応できるリアクティブパール
4個目:ヘビーコンディション向けのパーティクル
その他、キレが良いか悪いか、対称コアか非対称コアか等で違いを出して、ラインナップするといいでしょう。
ホームで練習するだけなら1〜2個、大会に出るなら3〜4個くらい持っておきたいところです。
▼ 【ボウリング講座】どんなレーンにも対応できるボールの選び方(2016年総支配人マイボール紹介) - YouTube
あなたの球質に合うボール選び
どんなに高価なボールでも、あなたの球質に合わなければ、そのボールは秘めたるパフォーマンスを発揮することができません。
まずは、自分の球質だとどんなタイプのボールがいいのかを知りましょう。
センターのレーンコンディションにもよりますが、ここでは一般的なミディアムコンディションとします。
Ur | Pr | Hb | Sd | Pt | 走り | キレ | 曲がり | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
球 速 | 遅い(20km/h以下) | ○ | ○ | △ | △ | × | ○ | × | × |
中程度(20〜25km/h) | ○ | ○ | ○ | △ | △ | ○ | ○ | ○ | |
速い(25km/h以上) | △ | △ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | △ | |
回 転 方 向 | 円盤(UFO) | × | × | △ | ○ | ○ | × | △ | ○ |
ほぼ縦(ストレート) | − | − | − | − | − | △ | × | ○ | |
左斜め奥(標準フック) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
左横(ドアノブ) | △ | △ | △ | ○ | ○ | × | △ | ○ | |
回 転 数 | 多い(10回転以上) | ○ | ○ | ○ | △ | × | ○ | × | △ |
中程度(6〜10回転) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
少ない(6回転以下) | × | △ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ |
※ Ur:ウレタン、Pr:リアクティブパール、Hb:ハイブリッド、
Sd:ソリッドリアクティブ、Pt:パーティクル
※ 記号の意味…○:適正、△:可、X:不適正、−:関係なし
※ 球速について…数字は男性が対象。女性はこの数字-2km/hとする。
※ 回転数について…数字は男性が対象。女性はこの数字-2回転とする。
レーンコンディションに合わせたボール選び
複数持つなら、ベビー用、ミディアム用、ドライ用、スペア用の4つは欲しいところです。
これだけあれば、大会でアウェーに乗り込んでも、だいたい対応できると思います。
一応、様々なコンディションでの適性診断をまとめています。
個人個人の球質にもよりますが、ここでは中間的、標準的な球質であるとします。
Ur | Pr | Hb | Sd | Pt | 走り | キレ | 曲がり | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ベビーレーン(オイルが多くて長い) | × | × | △ | △ | ○ | × | ○ | ○ |
ミディアムレーン(オイルが中間的) | △ | ○ | ○ | ○ | △ | ○ | △ | ○ |
ライトレーン(オイルが少なくて短い) | ○ | ○ | △ | × | × | ○ | × | × |
ブロックレーン(両サイドがドライ) | ○ | ○ | ○ | △ | △ | ○ | ○ | △ |
フラットレーン(両サイドもオイリー) | △ | △ | △ | ○ | ○ | △ | △ | ○ |
キャリーダウン(オイルが奥へ伸びる) | × | × | △ | ○ | ○ | × | △ | ○ |
ブレイクダウン(手前のオイルが減る) | ○ | ○ | △ | △ | × | ○ | △ | △ |
ドライレーン(オイルが乾き荒れている) | ○ | ○ | △ | × | × | ○ | × | △ |
※ Ur:ウレタン、Pr:リアクティブパール、Hb:ハイブリッド、
Sd:ソリッドリアクティブ、Pt:パーティクル
※ 記号の意味…○:適正、△:可、X:不適正、−:関係なし。
メーカー別解説
実際にメインボールを選ぼうと思っても、たくさんのメーカー(ブランド)があるので目移りしちゃうと思います。
そこで、主なブランド毎に特色などをまとめてみました。
気に入ったブランドを見つけてそれ一本にするか、色々なブランドを試してみるか、それはあなたの自由です。
尚、これら解説は、私の主観と巷の評価からまとめたものであり、 実際それぞれのボウラーが受ける印象とは異なるかもしれませんので、予めご理解の上でご覧下さい。
【3大ボールメーカーについて】
現在ボールメーカーには、「エボナイト」「ストーム」「ブランズウィック」の3系統があり、
以下のブランドのほとんどは、この3系統に属しています。
同じ系統のブランドのボールは、同じメーカーの工場で製造されている為、タイプ的に似通ってきます。
ブランドの違いは、コンセプトの違いとご理解下さい。
【エボナイト】
一番多くのブランドを抱える老舗の主力メーカーで、 現在は「エボナイト」「コロンビア300」「トラック」「ハンマー」「ダイノタン」等が傘下に入っています。
カバーストックが強みで、近年では高摩擦・高オイル吸着力素材の開発に注力しており、 オイリーコンディション向けボールの多様性に富んでいます。
この様なボールは、適度にオイル抜きをしてあげることで、パフォーマンスを維持することが可能です。
エボナイト
一番多くのブランドを抱える老舗の主力メーカーです。
自社ブランドボールは、幅広いボウラーに対応できるラインナップがなされています。
『ミッション』や『アンギュラーワン』シリーズなどは評価が高いです。
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ウォーリアー (2015年7月発売) 曲がり:★★★、走り:★★☆、キレ:★★☆ 【カバーストック種】リアクティブパール、【コア種】電球・円柱複合型(非対称) 【RG】2.470、【ΔRG】0.057、【表面処理】2000-grit Abralon/Polished 【適正レーンコンディション】ミディアム〜ヘビーオイル |
コロンビア300
『モーメンタム』『イラプション』シリーズ等で有名な、転がり感が持ち味のエボナイト系メーカーです。
派手さはあまりありませんが、ハイパフォーマンスボールは勿論、ミドルクラスボールにも定評があります。
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スワーブFX (2016年1月発売) 曲がり:★★☆、走り:★★★、キレ:★★☆ 【カバーストック種】リアクティブパール、【コア種】アレイ型(非対称) 【RG】2.470、【ΔRG】0.052、【表面処理】500 / 1000 AbralonTM Polished w/Powerhouse Clean N’Sheen 【適正レーンコンディション】ミディアム〜ヘビーオイル |
トラック
数年前に『ナンバー』シリーズで人気を博したエボナイト系メーカーです。
現在もその流れを継承し、名前を見ただけで、そのボールの特性が解るようになっています。
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パラドックス (2015年8月発売) 曲がり:★★★、走り:★★☆、キレ:★★☆ 【カバーストック種】ソリッドリアクティブ、【コア種】アレイ型(非対称) 【RG】2.480、【ΔRG】0.057、【表面処理】500/2000 Abralon 【適正レーンコンディション】ミディアム〜ミディアムヘビーオイル |
ハンマー
『タブー』『ブラックウィドー』シリーズや、「ガスマスクコア」で有名なエボナイト系メーカーです。
トーナメントプレーヤー向けがコンセプトで、上級者向けとも言えます。
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ブラックウィドー・ゴールド (2016年5月発売) 曲がり:★★★、走り:★★★、キレ:★★☆ 【カバーストック種】ハイブリッドリアクティブ、【コア種】アレイ型(非対称) 【RG】2.500、【ΔRG】0.058、【表面処理】2000-grit Abralon/Polished 【適正レーンコンディション】ミディアム〜ヘビーオイル |
ダイノタン
『スコーピオン』や『ピンキラー』シリーズで有名なエボナイト系メーカーです。
2012年に超お手頃価格の『ダイナエース』(スペード・クラブ・ダイヤ・ハート)が出てからは、全く音沙汰がありません。
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ダイナエース(スペード) (2012年8月発売) 曲がり:★★☆、走り:★★☆、キレ:★★☆ 【カバーストック種】ハイブリッドリアクティブ、【コア種】三角錐型(対称) 【RG】2.550、【ΔRG】0.048、【表面処理】1000番アブラロンポリッシュ 【適正レーンコンディション】ミディアムオイル |
【ストーム】
3大メーカーの中では後発ですが、現在では名実ともにトップクラスの人気を誇る主力メーカーです。
現在は「ストーム」「ロトグリップ」「900グローバル」が傘下に入っています。
バックエンドリアクション(レーン奥でのキレ)が強みで、ずば抜けたピンアクションがとても魅力的に映ります。
コアの強さも勿論ですが、近年ではオイルにも強く、ミドルレーンまでのスムーズな走り感が得られる『NRG(ナノ添加物)』をベースとした素材が力を発揮しています。
NRG素材は、リサーフェイス(表面研磨)して新しい面を出すことで、パフォーマンスを復活させることが可能です。
ストーム
名実ともにトップクラスの人気を誇る主力メーカー。
その性能の高さ故、今でも上級者ウケがいいメーカーです。
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ナノ・ロック (2016年4月発売) 曲がり:★★★、走り:★★★、キレ:★★☆ 【カバーストック種】ソリッドリアクティブ、【コア種】電球型(非対称) 【RG】2.480、【ΔRG】0.054、【表面処理】#4000アブラロン 【適正レーンコンディション】ミディアム〜ヘビーオイル |
ロトグリップ
『セル』シリーズで有名なストーム系メーカーです。
ストームに比べ、バランスが良くて扱いやすいボールが多いです。
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デファイアントレイジ (2016年2月発売) 曲がり:★★★、走り:★★☆、キレ:★★☆ 【カバーストック種】リアクティブパール、【コア種】電球型(非対称) 【RG】2.490、【ΔRG】0.054、【表面処理】1500-grit Polished 【適正レーンコンディション】ミディアム〜ミディアムヘビーオイル |
900グローバル
以前『フック』シリーズなどがあった、現在はストーム系のメーカーです。
2014年春にストームの傘下に入ってからは、全く違うボールメーカーに生まれ変わっています。
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ギア (2016年7月発売) 曲がり:★★★、走り:★★☆、キレ:★★★ 【カバーストック種】ハイブリッドリアクティブ、【コア種】円柱型(非対称) 【RG】2.480、【ΔRG】0.054、【表面処理】4000-grit 【適正レーンコンディション】ミディアムヘビー〜ヘビーオイル |
【ブランズウィック】
歴史ある主力メーカーで、現在は「ブランズウィック」「DV8」「モーティブ」「ラディカル」が傘下に入っています。
荒れたレーンでのバックエンドモーションの安定感が強みで、ハデさはないものの、堅実的でコントロール性に優れたボールが多いです。
最近では、従来のブランズとは逆を行くハデさで人気の「DV8」や、評価急上昇中の「モーティブ」に、新ブランド「ラディカル」と、 ブランド力を生かした戦略が目を引きます。
ブランズウィック
歴史ある主力メーカーの一つです。
デザインも含めて全くハデさはありませんが、バックエンドモーションの安定感と耐久性には定評があります。
『ネクサス』『オーラ』シリーズの評価が高いです。
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ニルバーナエボル (2016年6月発売) 曲がり:★★★、走り:★★☆、キレ:★★★ 【カバーストック種】リアクティブ、【コア種】コマ型(非対称) 【RG】2.504、【ΔRG】0.054、【表面処理】#500マイクロパッド→#1500 【適正レーンコンディション】ミディアムヘビー〜ヘビーオイル |
DV8
近年登場した、若年層に人気のブランズウィック系ブランドです。
アウトローなイメージで、流行の先端を行くアグレッシブなボウラーの為に、がコンセプトです。
蛍光塗料が添加されているせいか、質感も他のメーカーとは違う感じを受けます。
ハイクラスからロークラスまで、ラインナップも幅広く揃ってきています。
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グラッジハイブリッド (2016年7月発売) 曲がり:★★★、走り:★★☆、キレ:★★★ 【カバーストック種】ハイブリッドリアクティブ、【コア種】円柱型(非対称) 【RG】2.518、【ΔRG】0.056、【表面処理】#500マイクロパッド→#4000 【適正レーンコンディション】ミディアム〜ヘビーオイル |
モーティブ
2014年のベストボール『カバート・リボルト』を筆頭にヒット作を連発している、現在一番旬なブランズウィック系ブランドです。
個性的なデザインと、マイルドで安定したアーク状の動きが持ち味です。
以前に比べて、パフォーマンスが上がり、また劣化もしにくくなったのが評価を高めています。
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サファイアジャッカル (2015年9月発売) 曲がり:★★★、走り:★★☆、キレ:★★★ 【カバーストック種】ソリッドリアクティブ、【コア種】コマ型(非対称) 【RG】2.460、【ΔRG】0.060、【表面処理】3000 Grit LSS 【適正レーンコンディション】ミディアム〜ヘビーオイル |
ラディカル
2015年4月に日本初上陸したブランズウィック系ブランドです。
アメリカで転がすことに徹したテクノロジーを研究していたフィルカーディナルとモーピネルの2人が生みの親とのこと。
2015年4月に日本初上陸したブランズウィック系ブランドです。
よって、エボナイト系のハンマーの様な、本格派志向のブランドなのかもしれません。
今後出てくるであろう評価に注目です。
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グルパールリミテッド (2016年7月発売) 曲がり:★★★、走り:★★☆、キレ:★★☆ 【カバーストック種】リアクティブパール、【コア種】コマ型(非対称) 【RG】2.523、【ΔRG】0.044、【表面処理】#500マイクロパッド→ロイヤルコンパウンド 【適正レーンコンディション】ミディアムオイル |
ABS(アメリカンボウリングサービス)
2012〜2013年に『インベーダー』シリーズ旋風を巻き起こしたメーカーで、『プロアマ』のブランド名で知られています。
ロングセラーの『ナノデス』シリーズは、オイルに強く、曲がるボールとして定評があります。
その反面、かなり寿命が短い、オイルを吸いまくる、特殊なカバーの為オイル抜きが難しい等という話も聞きます。
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ナノデス・アキュロールIV (2016年4月発売) 曲がり:★★★、走り:★★☆、キレ:★★★ 【カバーストック種】ハイブリッドリアクティブ、【コア種】コマ型(非対称) 【RG】2.460、【ΔRG】0.054、【表面処理】360/600/1000 Diamond Compound Polish 【適正レーンコンディション】ミディアム〜ヘビーオイル |
メインボール購入前の心得
初めて曲がるボールを購入される方の中には御存じない方もいらっしゃると思いますが、
市販ボールはひとりでに曲がるものではありません。
ボールの性能を引き出せるかどうかは、ドリルによる指穴の配置にもよりますが、最終的には持ち主の投球(球質)にかかってきます。
ボウラーとボールの出会いは、紹介による人と人との出会いに似ていると言ってもいいでしょう。
相手(ボール)のことも知らなければなりませんが、当然自分のことも把握していないと、合うかどうかは全く見当もつきません。
つまらない失敗をできるだけ回避する為にも、実際に選ぶ際には、 必ず自分の球質を把握した上で、購入予定店のプロやドリラーに御相談下さい。
このページは、実際に購入する前の自習をする手助けの目的で公開しています。
もし、「理解できず、他人に自分の投球(球質)を説明することができない」という場合は、
購入・ドリルの前に、プロやドリラーに一度自分の投球を見てもらいましょう。
はっきり言って、この方法がベストです。
2球目以降ならば、必ず、今使っている曲がるボールも持ち込んで、ドリラーに見てもらって下さい。
そのボールからは、採寸や指穴の配置を決めるのに、とても重要な情報が得られます。
購入後は、そのボールがどういう動きをするのかを把握するよう努めて下さい。
思った動きと違っても、このボールはどういう攻め方をすれば生かせられるのかを考えて下さい。
つまり、ボウラーが、ボールに合わせる努力をして下さい。
自分自身でできなければ、プロやドリラーに相談してみましょう。
どうしても合わせられず、使いにくいとなれば、そのボールの使用頻度は減り、お蔵入りになるかもしれませんが、 それは「そのボールとは縁がなかった」と理解して下さい。
中古品として売ったり、知人に譲って頂ければ、そのボールも救われます。