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指穴アジャスト法

ボールは、買ってドリルしてもらって終わりではありません。
そこから、細かいフィッティングを詰めていき、自分色のボールにしていく必要があります。
調整(アジャスト)作業は自分の感覚でやっていくものなので、
投げる時に余計な力を入れないようにする為にも、ぜひ基本的な調整法を覚えて下さい。

指穴調整について

ある程度フォームが固まり、投球が安定してくると、更に細かい所が気になってきます。
「ボール買った頃は店のボールより投げやすいと思ったけど、上手くなったら、もっとリリースを安定させたいと思うようになってきた。」とか。

これは、「更にスコアアップしたい」という欲求に他なりません。

実は、指穴の調整(フィッティング調整)をするだけで、スコアを10〜20位アップさせることができます。
これをしないと、中級者レベルで壁にぶち当たって、そこからはなかなか上達しない、なんてこともあります。
まだ、フィッティング調整をしたことがない方は、ぜひ騙されたと思って試してみて下さい。

親指について

上手い人のボールを見ると、たいてい親指の穴に違う色の「リング」があるのが分かります。
それは「サムソリッド」というプラスティック製の筒で、これを複数所有するボール全てに装着していると、 フィッティングを統一することができるというメリットがあります。

最初は普通の穴でも、途中から付けることもできます。
1000〜2000円でできますが、付けるのは中〜上級者からでもいいでしょう。

親指のフィッティングには、かなり気を遣う必要があります。
隙間がある(穴が緩い)と、ボールを落とすまいと握ってしまい、リリース時の親指の抜け方がバラバラになります。

練習である程度はまとめられますが、限度がありますので、やはり壁にぶち当たってしまいます。
握らず、ただ親指を穴に入れるだけの最小限の力でボールを支える為には、穴と親指との隙間を埋める必要があります。

詳しくは、後述の 親指の調整法 をご覧下さい。
尚、サムソリッドについては、こちらの みなみプロショップ - ボウリンググッズ解説 をご覧下さい。

中・薬指について

もしまだ普通の穴なら、「フィンガーグリップ」を装着して頂くことをおすすめします。
これはゴム製なので、怪我の防止はもちろん、グリップ力(回転力)強化にもなります。

ただ、普通の穴からの変更の場合、一旦穴を埋めて穴を開け直ししないといけないので、時間と費用が結構かかってしまいます。

マイボール購入時点で装着を決断した方が費用も安くなり、また後悔しなくて済みます。
上手い下手は関係ありませんので、ぜひ付けて下さい。

ただ欠点もあります。
消耗品なので、指が掛かる部分がえぐれてきますし、ゴムが劣化して固くなってきます。
性能が落ちるとスコアも落ちるので、定期的に交換が必要となります。

また、グリップには色々種類があり、フィッティングにも違いがありますが、これを気にするのは上級者になってからでいいでしょう。

グリップの装着や交換は、1000〜2000円でできます。
詳しくは、後述の 中・薬指の調整法 をご覧下さい。
尚、グリップについては、こちらの みなみプロショップ - ボウリンググッズ解説 をご覧下さい。

親指の調整法

指穴はたいてい真円形ですが、親指の断面は楕円形なので、 指の背中側にどうしても隙間ができてしまいます。
まずは各種テープを使って、この隙間を埋めていきます。

現在は、指穴を楕円形に開ける方法もあります。
その場合は、以下の調整法は最小限(微調整)で済ますことができます。
楕円指穴(オーバルホール)については後述します。

私が使用した経験があるのは、図中左より「アジャストテープ」「スティックテープ」「インサートテープ」です。(一番右のものについては後述)

親指用インサートテープ(背側用2種、腹側用2種)

▼ 総支配人推薦インサートテープ

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まずは下準備をします。
インサートテープは、成形されてない物ならば、長さを3〜4cmに合わせて切り、上となる方の両角を丸く切り取ります。(下図参照)
ちなみに、角を切り取る理由は、指が擦れて剥がれるのを防ぐためです。

次に、下地となるテープを決めます。
下地は、一番下の穴の壁面に直接貼るテープです。
よって、厚手で上に重ねていくテープが剥がしやすいものがいいでしょう。

私は下地には、必ず白のザラザラ「インサートテープ」を採用し、 その上に「インサートテープ」や「アジャストテープ」「スティックテープ」を貼っています。
「インサートテープ」の接着力が強いのと、ザラザラ面がその上のテープを剥がしやすくしてくれるのがその理由です。

「インサートテープ」は基本腹側用のテープですが、背側で採用しているボウラーさんがけっこう多いのではないでしょうか。
かなり汎用性が高いので、個人的には一番のオススメです。

次に、テープを貼る場所を決めます。

まず実際にフィンガー(中・薬指)を入れ、サム(親指)を入れます。
その状態から親指が抜ける時、親指の背中の中心が通る所に、下地のテープの中心線を合わせます。 ほとんどの方は、やや中指側にずらして貼ることになると思います。(下図参照)

テープは、穴の上端から2〜3mm位下げた位置に貼り付けます。
とりあえずはだいたい合っていればいいでしょう。
実際に作り終えてから、一番フィットする場所に修正して下さい。

下地のテープを貼ったら、隙間が埋まるまで、その上に「インサートテープ」や「アジャストテープ」「スティックテープ」を重ねて貼っていきます。
重ね貼りする場合は、上に重ねるテープの幅を徐々に狭くなるようにカットした上で、 1〜2mmずつ下げて貼っていくと良くフィットします。(下図参照)

かなり多くのテープを重ねて幅が狭くなりすぎた場合は、最後の一枚を下の方の幅の広いテープにするとフィット感がよくなります。
でも、これだと1枚ずつの調整で剥がしずらくなるのが難点となります。

テープを大量重ねすると形が歪(いびつ)になりがちなので、厚みのあるアジャストテープ等を積極的に採用し、貼る枚数を減らした方が調整しやすくなります。

だいたい隙間を埋めることができ、違和感無い位置にテープを貼り付けたら、 実際に3本の指を入れて、ボールをぶら提げてみましょう。

この時、完全に脱力して下さい。

「全くボールが落ちない」場合は、穴がキツイので、テープを1枚ずつ剥がしてみて下さい。
「何の抵抗もなくスポンと抜けた」場合は、穴が緩いので、テープを1枚ずつ足してみて下さい。

「親指がずるずると抜ける」くらいがベストです。
そうなるまでテープを剥がしたり足したりして調整して下さい。

では、ベストの状態で実際に投げて見ましょう。

たぶん、指が抜け難い方が多いと思います。
それは、ボールを落とすまいと余計な力を入れて、握ってしまっている証拠です。

落っことしてもいいので、余計な力を抜き「脱力」しましょう。
それで落っことしたならテープを足せばいいですし、 逆にそれでも抜けにくいならテープを剥がせばいいのです。

これからは、力で調整せず、テープで調整しましょう!

ちなみに、このテープ調整作業は、プレー前に必ず行って下さい。
日によって、時間帯によって、温度や湿度によって、親指の大きさが毎回微妙に違うのが分かると思います。 プレー中にも変化するくらいです。

慣れてきたら、ボールを持ってぶら下げるだけで、穴が緩いかキツイかが分かるようになります。

親指が上手く抜けるようになる条件

もし、上記の方法でも調整しきれない場合は、親指の腹側に貼る滑り止めのテープの使用を検討してみて下さい。

先述の白のザラザラ「インサートテープ」や、この項の一番上の図の右端にあった「ノンスリップシリコンテープ」等がこれにあたります。
「親指がずるずると抜ける」という感覚に一番近いのが後者ですが、 汗っかきの方など体質やフィーリングによっては前者が良い場合もあるでしょう。

いずれにしても、貼るのは1枚だけです。
スパンが変化する等の弊害がある為、あくまで穴の大きさの調整は背側で行って下さい。

尚、テープ調整には、ハサミラジオペンチ(ピンセットでも可)が必要なので、テープ類とセットで携帯して下さい。
どちらも100円ショップで十分な物が手に入ります。

▼ 【ボウリング講座】サムホールはジャストにアジャスト! - YouTube

オーバルホール(楕円形指穴)について

現代の最新技術では、指穴を楕円形に開けることができます。
とは言え、普通のドリルマシンでは、キリの位置をずらして対応したりするので非常に難しく、断るドリラーも多いと思われます。

ただ、最新の「三軸ドリルマシン」というものは、ボールを固定したまま綺麗に楕円形に仕上げられると聞きます。
この最新マシンを導入している店はかなり限られていますが、こういう店で開けると、 メジャーも「センターフォーカス」という最新測定法を利用しますので、かなり精密な仕上がりになるそうです。

ただし、大抵のお店には普通のドリルマシンしかありませんから、 どうしてもオーバルホールにしたい場合は、元々オーバルホールが開けてあるサムソリッドを入れてもらうのが良いでしょう。

オーバルホールは、フィッティングが良い利点がありますが、 親指を真っ直ぐ抜く必要がある為、手首をターンして投げる方には不向きです。
また、複数ボールに同じ様に開けることが難しく、統一性が乏しくなってしまうことも欠点としてあげられます。

中・薬指の調整法

フィンガーグリップを装着されている方がほとんどだと思いますので、それを前提としてお話します。

普通の穴の場合は、親指と同様、穴の中・薬指背側に隙間を埋めるインサートテープを貼り、 更に、親指よりはグリップ力が必要なので、腹側にそれを強化するインサートテープを貼ると良いのではないかと思います。

フィンガーグリップは、最初に選ぶ時に、ギリギリ入るかどうかぐらいよりも、若干余裕のあるサイズの方を選んで下さい。
投げてる内に指が大きくなって入らなくなるぐらいなら、若干緩くても入ってくれる方が対処できるからです。

フィンガーグリップの場合の調整法は、実に簡単です。

  • 穴が狭かったり、かなり緩かったりしたら、グリップを丸ごと「1サイズ」違うものと交換する。
  • 穴が若干緩ければ、グリップと穴の壁の間に「紙を挿む」。
  • グリップ部分(指の腹側が当たる所)がちびてきたら、グリップを丸ごと交換する。

フィンガーグリップは消耗品なので、投げている内にどんどんグリップ部分が削れてきます。
気が付いた時には、グリップ部分に凹みができている、何てこともあると思います。

中級者の方などは、穴が緩くなっているのにも気付かずに、そのまま使い続けている場合もありますが、 もしそうなってたら、既に交換の時期が来ていると思って下さい。

そのまま放置していたら、上達への妨げにもなりかねません。

特にグリップにしっかり指が掛かって投げられる方は、かなり消耗が早くなります。
プロは、しょっちゅうグリップを替えているという話を聞きます。

▼ 【ボウリング講座】100均グッズだけでフィンガーグリップ交換 - YouTube

でも、アマチュアはなかなかそうはいきません。
ケチな私は、グリップと穴の壁の間に紙を挿んで穴の大きさや角度を調整し、ギリギリまで交換せずに使っています。

それは誰にでもできます。

グリップは、瞬間接着剤で「3点留め」(下左右:下図の赤楕円部)か、「4点留め」(上下左右)されています。
ラジオペンチさえあれば、何とか剥がすことは可能ですし、自分で付けることもできます。
(ただし、接着剤とグリップやボールの表面材質の相性上、付き難かったり、ボールにヒビが生じやすかったりするので、御承知おき下さい。)

ボールを作るときは、ドリラーに「3点留め」でお願いしましょう。

基本は、留めない上部(背側:下図の白楕円部)に紙を挿んで、穴の大きさを調整します。
紙は何でもいいですが、私はテーピングテープから剥がした台紙を使っています。

▼ 【ボウリング講座】フィンガーグリップのサイズを微調整 - YouTube

グリップ部(腹側)がちびてきたら、そこを刃で削って均してから、下に紙を挿みます。
削ると穴の角度が若干変わるので、それも考慮した上で調整します。
あと、腹側はズレやすいので、紙を挿んだ後に接着剤留めすることをお勧めします。

これでかなり持ちが良くなります。
私が思うに2倍程度は寿命が延びますが、程々にはしておいて下さい。
ちょっとでも、もう厳しいなと感じたら、即新しいのに交換することをお勧めします。

フィンガーグリップについて

あと、テーピングテープについてですが、私は基本的には必要ないと思っています。

どうしても、指の保護やグリップ力の強化、フィーリングを良くする目的で必要なら、 それぞれの目的に合わせたテープをご使用下さい。

「ティアライトテープ」が、巷で有名、且つおすすめです。

フィンガーグリップの種類

フィンガーグリップには、材質形状外径でいくつかの種類があります。

材質については、硬め・柔らかめウェット・ドライ、から自分のフィーリングに合ったものを探して下さい。
見た目では、色付きが硬めで、透明が柔らかめ、艶があるのがウェットで、艶がないのがドライ、と思って頂いていいでしょう。

形状については、パワー(フォワード1/8ピッチが入ったもの)・オーバル(楕円形)・セミフィンガー(コブ付)があります。
パワーはリフト重視、オーバルはフィット感重視、セミはセミフィンガーグリップ専用となっています。

外径については、指穴が小さい女性の場合、外径が小さい(7/8インチ)ものを選んで頂くことをお勧めします。
通常サイズ(31/32インチ)だと、中指と薬指の間が広くなってしまい、フィット感が損なわれてしまうからです。

ボウラーズショップ プリメーロ ボウラーズクラフト楽天市場店

テーピングテープの貼り方

まず、テーピングにはハサミが必要ですので、必ず携帯しておきましょう。

テーピングテープは、手指の保護や、グリップ力強化、フィーリングの調整等に使われる物で、指に直接貼り付けます。

参考までに、アメリカンボウリングサービス(ABS)さんのラインナップです。
テーピングテープ一覧(ABS製)

図中の字が小さいですが、それぞれのテープの使用目的に合わせて選んで下さい。

私から「どれがオススメ」とは言えません。
特にフィーリング調整の場合は、実際にテープを触ってみないことには分からないと思います。
持っている人から試しに貰ったり、プロショップにサンプルがあれば触ってみるしかないでしょう。

自身の投球において補完したい要素があり、その為に必要なテープがあれば、それを選んで使って下さい。

テープを貼る前に、下準備をします。
テープを必要分切り取るわけですが、貼り方によって2種類の切り方があります。

基本は、必要分(指の長さ分等)を切り、全ての角を丸く切り取るだけです。

もう一つは、指の長さのの長さを切り、全ての角を丸く切り取った上で、 ちょうど中間の両脇に切れ込みを入れる方法です。(下図参照)
これは、フィンガー(中・薬指)全体をカバーする図中(1)と(2)の貼り方の場合に使われます。

フィンガーのテーピングは、図中(1)〜(3)の様に指全体を覆って下さい。
ケチってチビチビ使うと剥がれやすいので、良くありません。

サム(親指)のテーピングは、図中(4)〜(6)の様にします。
(4)は主にグリップ強化目的、(5)は付け根の保護目的、(6)は主に握りグセ解消目的です。

ちなみに、図中(5)以外では、指の根元を別のテープでぐるっと巻きつけると、持ちが良くなります。

基本的なテーピング例

マイシューズ解説 ボウリンググッズ
マイボールの選び方 メジャーリング
ドリルレイアウト ボールメンテナンス
指の症状別対処法 指穴アジャスト法
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