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みなみプロショップ
メジャーリングについて

たいてい初めての方は、メジャーをドリラーに任せっきりにすると思います。
良いドリラーと出会えたらいいですが、そうでなければ堪りませんよね?
よって事前に、ある程度の知識は持ち合わせておきましょう。
プロショップとありますが、注文は承っておりません(;^_^A

メジャーリングについて

さあ、ボールを購入したら早速ドリル…なんですが、 ドリルをする前にあなたの手の様々なサイズを測ってもらいましょう(この作業をメジャーリングと言います)。

と言うか、これをしないとあなたの手に合ったボールは作れません。
ここでミスると、出来上がったボールはあなたの手に合わないものになってしまいます。

メジャーリングはドリラーが主導で行います。
基本的には任せておいていいですが、メジャーリング中、ドリラーに「これはどうですか?」「ちょうどいいですか?」と聞かれたり、 「これでいいでしょう」と「これで大丈夫です」と言われても、よく分かりませんよね。
よって、ある程度勉強した上で、メジャーしてもらうことをオススメします。

メジャーリングは、メジャーボールを使うのがオーソドックスなやり方です。
ピッチを測れるものもあるそうですが、そんな先進的で便利なツールを導入しているセンターは、たぶん少数派です。

たいていは、メジャーボールでサイズを測り、ピッチ等はドリラーの裁量で決まります。
なので、良いドリラーに出会えるかどうかが重要なのです。

2球目以降の場合、今使っているボールのデータを知っておくと、 次にどうしたいかを注文(相談)できるので、必ず把握しておきましょう。

▼メジャーボールの写真がこちらのページにあります。
まじぽらんのボウリング辞書 4321 メジャーボール

メジャーリング【事前の心得】

メジャーリング(以下、メジャー)は、マイボールを作る上での最重要工程と言っても過言ではありません。
ボールの種類やドリルレイアウトを間違えても投げられなくはないですが、 メジャーを間違えると、指を痛めたりして投げられなくなってしまうからです。

よって、基本はボウラーの手の骨格に合うように作ります。

「そんなの当たり前じゃん!」と思われるかもしれませんが、実は投球スタイルによって、メジャーは変化するのです。

ボウラーの手の骨格に合わせ、それをベースに投球スタイルに合わせてアレンジするのが、 正しいメジャーであると言えます。(アレンジ方法については後述

ただ、初めてマイボールを持つ方は、手の骨格に合わせるフィッティング重視のメジャーをおすすめします。
何故なら、ボウリングの上達によって、メジャー各サイズに変化が生じてくるからです。

そう、メジャーは一発で決まるものではありません。
ほとんどの方が、数回のメジャー変更を経て、理想に近いメジャーを見つけていくのです。

初回では、各サイズにゆとりをもって。
2回目では、フィッティング重視で、ジャストサイズに調整。
3回目以降は、目指す投球スタイルに合わせてアレンジするなど、微調整を加えていく。

これが、理想のメジャーへの最短ルートであると考えます。

自分の手を把握する

実際にメジャーを始める前に、あなたの手がどの様なタイプなのかを把握して下さい。

これからご説明する「フィッティング重視」のメジャーリングは汎用的なものなので、個人個人に合わせる為には、そこからの補正が必要になります。
もちろん前述の通り、「投球スタイル」によっても補正が入ります。

各所に「調整値」を載せておりますので、ここで把握したタイプを基に補正を行って下さい。

マイボウラー歴

単純に【初めてのマイボール】かどうかです。

関節の柔軟性

代表として、親指の第2関節や根元の柔軟性(可動域)を見ます。
親指を手の平の内側へ折り曲げてみて、手の平に着くようなら【柔らかめ】、人差し指辺りまでしか来ない様なら【硬め】と判定します。

4スタンス理論

重心のとり方により、微調整を加えると、フィッティングが良くなる可能性があります。
【A1】(前方内側重心・クロス)、【A2】(前方外側重心・パラレル)、【B1】(後方内側重心・パラレル)、【B2】(後方外側重心・クロス)の4タイプがあり、 4スタンス倶楽部のサイトで、自身のタイプを判定することができます。
(当サイトでの扱いについては、4スタンス理論についてをご覧下さい。)

投球スタイル

投球スタイルは、大きく分けて、【ベーシック】(オールド)と【ローダウン】と、その混合の【ハイブリッド】があります。 (参考サイト:ローダウン@Wiki

一般的なレッスンでは、最初はベーシックから入って、上達したらハイブリッドかローダウンへ移行することが多いでしょうか。
メジャーにおいては、ベーシックとハイブリッドはあまり大差がないですが、【ローダウン】は適正サイズがけっこう変わってきますので、 どちらの投球スタイルを採用するのかを決めておく必要があります。

スパンを決める

一般的に、スパン(中・薬指と親指との距離)を最初に測ります。
尚、ここでは中・薬指の第一関節で持つ「フィンガーチップ」という持ち方で測っていきます。
マイボールでは一般的な持ち方で、重いボールでも持てて疲れにくい、回転が掛けやすい利点があります。

ちなみに、センター備え付けのハウスボールは、第二関節で持つ「コンベンショナル」という持ち方になります。

右投げか左投げか

左と右ではレイアウトはもちろん、以下のメジャーは全て左右で全くの逆になります。

ミドルスパン(サムホールとミドルホールの間の長さ)

親指の穴と中指の穴の間の距離を測ります。

ここで、メカテクター系のリスタイを着けている人は、必ず装着して計測して下さい。
リスタイ類を着けると、リスト(手首)の角度が矯正される影響で、素手で測った時よりスパンが短くなります。
リスタイの種類にもよりますが、だいたい1/8〜3/8インチ短くなります。

リラックスして肘の高さで計測します。高すぎたり低すぎたりすると誤差が出ます。
まず親指を入れてから、メジャーボールを両手で抱えて(手首はまっすぐ伸ばして下さい)、 中指、薬指は入れずに、伸ばしたままにします。

穴の入口の角が、中指の第1関節より付け根側に1/4インチ(約6mm)行った所に合えば、それが適正スパンです。

適正スパンを見つけたら、今度は中指、薬指をしっかり穴に引っ掛けてから親指を入れます。
関節を伸ばす為に、メジャーボールを持ってスイングしてみることをお勧めします。
関節が伸びきった状態で測ったスパンが適正スパンになります。

もちろん、緩かったりきつかったりしたら微調整します。
感覚的には、ちょっと突っ張り感のあるサイズより1つ短いサイズで、 3本の指が穴の側面にフィットし、しっかりグリップできればいいでしょう。
ボールをぶら下げる様に持ってみて、ペンが1本分入る程度の隙間があればOKです。

ただ、初めて第1関節で持つ方は、関節(特に第2関節)が伸びていないので、本来の適正スパンより短めになると思います。
慣れてくると関節が伸びてやや短く感じるようになる場合がありますが、 それは仕方のないことなので、初めての場合は、無理をしてスパンを長めにしない方がいいでしょう。

ミドルスパン補正

【初マイボール】⇒ −1/8インチ調整
【関節柔らかめ】⇒ 調整不要
【関節硬め】⇒ −1/8インチ調整
【A1】【A2】⇒ −1/8〜0インチ調整
【B1】【B2】⇒ 0〜+1/8インチ調整
【ハイブリッド】⇒ −1/8〜0インチ調整
【ローダウン】⇒ −1/2〜−1/4インチ調整、又はセミフィンガーグリップに変更

リングスパン(サムホールとリングホールの間の長さ)

次に、親指の穴と薬指の穴の間の距離を測ります。

が、巷では、ミドルスパン+1/8インチとしてしまうのが一般的となっています。
ただ、中指と薬指の長さの差は人によって違いますので、正しく測るなら、ミドルスパンと同様に計測するのがベストです。
また以下の式でも、目安の値を導出することができます。

リングスパン = ミドルスパン + (5/16-中指と薬指の第一関節の差)
  注: 中指と薬指の第一関節の差は、ボールの曲面に手を合わせて計測すること。

リングスパン補正

(ミドルスパンと同じであるため割愛)

ブリッジ(ミドルホールとリングホールの間の長さ)

中指の穴と薬指の穴の間の距離を決めます。

これは、基本的に1/4インチで問題ありません。
フィンガーグリップを装着する場合、これがどうしても長くなってしまうので、手の小さい女性などは、3/16インチにすることもあります。

ただし、1/4未満にして中指と薬指の穴の間に亀裂が入ったり、貫通してしまった場合は、ブリッジ不足が原因としてメーカーは補償してくれませんので注意が必要です。
どうしても1/4未満にしたい場合は、間を取って7/32インチにしておくのがベターです。

ブリッジ補正

【A1】【A2】⇒ −1/16〜0インチ調整
【B1】【B2】⇒ 0〜+1/16インチ調整

ホールサイズを決める

次に、ホールサイズ(各指穴の入口の大きさ)を測ります。

サムホールサイズ(親指の穴の大きさ)

親指穴の入口の大きさを測ります。

親指はきっちり付け根まで入れて計測します。
大きめのサイズから順に、指を自然に真っ直ぐ伸ばしたまま出し入れしてみて、 ちょっとでも引っ掛かり感が出たら、その穴から1つ大きいサイズ(+1/32インチ)が適正サイズとなります。

サムホールはやや緩く抜けやすい方がいいので、その前後のサイズで適宜判断します。
感覚的には、親指を回してみて、第1関節が穴の壁に触れるか触れないか位が、ちょうどいいサイズです。

サムホールサイズ補正

【初マイボール】⇒ 0〜+1/32インチ調整

ミドルホールサイズ(中指の穴の大きさ)

中指穴の入口の大きさを測ります。

中指を第1関節の所まで入れてみて、そこでサイズがぴったりなら、それが適正サイズとなります。
ただ、初心者の方はもちろん、ぴったりサイズの場合は、指に負担が掛かりやすくなるので、 無理をせず1つ大きいサイズにして、若干余裕を持たせるという考えもあります。

ミドルホールサイズ補正

【初マイボール】⇒ 0〜+1/32インチ調整
【A1】⇒ 調整不要(ほぼジャストサイズ)
【A2】⇒ 0〜+1/32インチ調整
【B1】⇒ 0〜+1/32インチ調整
【B2】⇒ +1/32インチ調整

リングホールサイズ(薬指の穴の大きさ)

薬指穴の入口の大きさを測ります。

基本的に中指と同じです。
ただ、中指のフィット感と同じか、若干緩めの穴を選んだ方が、薬指への負担は少ないです。

リングホールサイズ補正

【初マイボール】⇒ 0〜+1/32インチ調整
【A1】⇒ 0〜+1/32インチ調整
【A2】⇒ 調整不要(ほぼジャストサイズ)
【B1】⇒ +1/32インチ調整
【B2】⇒ 0〜+1/32インチ調整

デプス(穴の深さ)

各穴の深さを決めます。

一般的には、サムホールが約2-1/2〜3インチ、ミドルとリングホールが約1-1/2〜2インチでいいでしょう。
必要なら、ボウラーの指の長さやウエイトバランスの調整目的で前後させます。

ピッチを決める

ピッチとは、ホールが開いている向き(角度)のことで、「0(ゼロ)ピッチ」はボールの中心に向かって開いています。

バーティカルピッチは上下方向(手の平中央側に向くとフォワード、逆はリバース)の角度を、
ラテラルピッチ(サイドピッチ)は、左右方向(レフトとライト)の角度を表します。

これらに関しては専門的なのでドリラーに任せればいいですが、これらを決定する指標として、 親指は抜きやすい方がいいかどうか、このボールは自分にとって重いかどうか、フックさせたいかどうか等は伝えた方がいいでしょう。

サムバーティカルピッチ

バーティカルピッチの効果として、「握り角度を調節する」「リリースタイミングを調節する」が挙げられます。
その数値はほぼスパンや投球スタイルで決定されますが、その組み合わせのバランスを考える上で、 基本としてはさみ角度が55度程度になるようにします。

この基本線に沿えば、スパンが短い程、又ホールサイズが小さい程、フォワード方向にピッチが入り、 スパンが長い程、又ホールサイズが大きい程、リバース方向にピッチが入ることになります。

55度という角度は、持ち易く抜け易く、今現在最良とされる角度です。
但し、これはきちんと持ってきちんと抜くことが前提で、しっかりできていないと親指が上手く抜けないと思います。

これはボールを握ってしまっている、リリースタイミングが悪い等、つまりフォームが良くないからで、 正しいフォームで投球できていれば、この辺りの角度でピッチを設定すると、だいたいちょうど良くなるはずという訳です。

下表は、はさみ角55度をベースにしたバーティカルピッチチャートです。
上級者の方は、自分自身の感覚を最優先に考えて、調整していって頂くことをお勧めします。

MBGオリジナル サム(左)・ミドル(右)バーティカルピッチ表
MBGオリジナル サム・ミドルバーティカルピッチ表

サムバーティカルピッチ補正

【関節柔らかめ】⇒ 調整不要
【親指短め】⇒ フォワード方向へ1/8インチ調整
【関節硬め・親指長め】⇒ リバース方向へ1/8インチ調整
【ボールが重め】⇒ 1ポンド当たり、フォワード方向へ1/16インチ調整
【ボールが軽め】⇒ 1ポンド当たり、リバース方向へ1/16インチ調整
【ハイブリッド】⇒ フォワード方向へ0〜1/8インチ調整
【ローダウン】⇒ フォワード方向へ1/8〜3/8インチ調整

フィンガーバーティカルピッチ

フィンガーのバーティカルピッチは、サムのバーティカルピッチほど、スパンと連動させる必要はありません。

基本的に、フィンガーバーティカルピッチは、フィンガーの乗り具合を調整するものと考えて下さい。
フィンガーが抜けるのはサムが抜けた後であり、その乗り具合は、リリースの瞬間の手首の角度(カップリング度合い)で決定する場合が多いです。

標準を0ピッチとした場合、フォワードにすると、穴の角で引っ掛ける感じになり、 逆にリバースにすると、角っぽさよりも穴の側面に乗る感じが強くなります。

このフィンガーの乗りの感覚は、ボウラーの好みにもよりますが、 カップリスト(ボールを抱え込む)ボウラーは、リバース方向にしてフィンガーの乗りを良くした方が合うでしょうし、 ブロークンリスト(手首を反らせて持つ)ボウラーは、フォワード方向にして角で引っ掛けた方が合うと思います。

また、スパンとの関連性については、スパンが短い程フィンガーに乗る時間が短く、スパンが長い程フィンガーに乗る時間が長くなるので、 上記ピッチ表(右側)をベースとして頂いた方がいいでしょう。

尚、フィンガーグリップを装着する場合は、それ自体に予め1/8インチのフォワードピッチが入っている物(パワーリフトグリップ)等もあるので、それも考慮に入れる必要があります。

ミドル・リングバーティカルピッチ補正

【関節柔らかめ】⇒ フォワード方向へ0〜1/8インチ調整
【関節硬め】⇒ リバース方向へ1/8インチ調整
【A1】【A2】⇒ フォワード方向へ0〜1/8インチ調整
【B1】【B2】⇒ リバース方向へ0〜1/8インチ調整
【ハイブリッド】⇒ リバース方向へ0〜1/8インチ調整
【ローダウン】⇒ リバース方向へ1/4〜1/2インチ調整、又はセミフィンガーグリップに変更

※ リングピッチは、基本ミドルと同じにするか、リバース方向へ1/16〜1/8インチ調整するのがベターです。

サムラテラルピッチ

ラテラルピッチは、「ボールのホールド感」や「球質(ローリングタイプ)」を調節するもので、 その数値はほぼ骨格(関節の柔軟性、曲がり具合)や投球スタイルで決定されます。

標準を0ピッチとした場合、ライト(左投げならレフト)にすると、人差し指がボールに引き付けられることで、ターンやフッキングがしやすくなり、 ローリングトラックが外に出る(スピナー気味になる)傾向が生じます。
逆にレフト(左投げならライト)にすると、小指がボールに引き付けられることで、手全体で持つ感じになり、縦回転が強くなって、ローリングトラックが内に寄る傾向が生じます。

まずは、標準となる「骨格とボールの持ち方に合わせたラテラルピッチ」を測定し、そこから球質(投球スタイル)に合わせて調整を加えていきます。

実際、ボールの持ち方を変えてみると、小指側を浮かせて持つのと手の平全体を付けて持つのとでは、 サムのフィーリングが全く違うことがわかると思います。

前者の場合は「ベーシック投法」、後者の場合は「ローダウン投法」に向いていますが、これは持ちやすく投げやすい方でいいと思います。
ただ、この2つの持ち方ではサムラテラルが全く違うものになるので、どちらにするのかを、ドリルをする前に決めておく必要があります。

下図は、総支配人の独断と偏見に基づく…(笑)のラテラルピッチ導出法です。
これは「ベーシック投法」向けなので、小指側のすき間を狭めたい場合は、レフト方向への調整が必要となります。

上級者の方は、自分自身の感覚を最優先に考えて、調整していって頂くことをお勧めします。

MBGオリジナル サムラテラルピッチ導出法
MBGオリジナル サムラテラルピッチ導出法

サムラテラルピッチ補正

【A1】⇒ 調整不要
【A2】⇒ レフト方向へ0〜1/8インチ調整
【B1】⇒ レフト方向へ0〜1/4インチ調整
【B2】⇒ レフト方向へ0〜1/2インチ調整
【ハイブリッド】⇒ レフト方向へ0〜1/8インチ調整
【ローダウン】⇒ レフト方向へ1/2〜3/4インチ調整

レフトピッチの亜流として、レフトオフセットという開け方もあります。
これは、穴を開ける位置自体を左にずらすという方法です。
この際、リングスパンが長くなりますが、その方がより手の平でのホールド感が高くなります。

フィンガーラテラルピッチ

フィンガーラテラルの効果は、サムラテラルとほぼ同じです。
サムラテラルは手の平中央付近のフィーリングを調整するのに対し、フィンガーラテラルは指の付け根から先の部分のフィーリングを調整します。

サムラテラルと連動させて、だいたい同じ方向に開けるのがセオリーとなります。

ミドルとリングのラテラルピッチの関係ですが、これはほぼ骨格での判断になります。
軽く指を曲げた時に、中指と薬指の指先が近づく場合は「逆ハの字型」に、逆に離れる場合は「ハの字型」に開けた方がいいでしょう。

「逆ハの字型」は、ミドルをライト方向に、リングをレフト方向に振った開け方で、 「ハの字型」はミドルをレフト方向に、リングをライト方向に振った開け方となります。

ハの字の由来は、両者のフィンガーホールの断面がその形に見えることからそう呼ばれています。
この調整は、1/8〜1/4インチくらいでいいと思います。

但し、「逆ハの字型」の場合だけ、あまりやり過ぎると指穴の奥で貫通してしまうことがあるので注意が必要です。

あと、フィンガーラテラルピッチには、ややこしいことに表現方法が2種類存在します。

通常ピッチは、ボールの中心に向いていると「0ピッチ」表現されるのですが、 フィンガーホールは普通、2つの指穴を並べて平行に開けるので、これは「0ピッチ」ではないことはお解り頂けると思います。

しかし、それでは解りにくいので、その2つの指穴を並べて平行に開けた状態を「0ピッチ」と表現する方法もあるのです。
前者の本来の表現方法を「中心ゼロ」方式、後者の表現方法を「平行ゼロ」方式と言います。

どちらの方式を採用しているかは、センター(ドリラー)によって異なり、例えば、
「中心ゼロで表記されたメジャーシートを、平行ゼロを採用しているドリラーに渡してドリルしてもらった場合、全然違うボールが出来上がってしまう。」
何てことも起こり得る訳なのです。

まともなドリラーなら、メジャーシートを見れば何となくどちらなのかは見当がつきますが、 経験の浅いレベルの低いドリラーが見た場合、気が付かないことも十分あり得るので、ボウラーもしっかり理解しておく必要があるでしょう。

ちなみに、平行ゼロを採用しているドリラーの方が、気が付かない可能性があります。(あくまで傾向ですが…)

尚、平行ゼロ中心ゼロの値は、以下の式で変換することができます。

中心ゼロのラテラルピッチ
 = ( ホールサイズ / 2 ) + ( ブリッジ / 2 ) + 平行ゼロのラテラルピッチ

  注: ミドルならレフト方向、リングならライト方向へのピッチ。

ミドルラテラルピッチ補正

【A1】⇒ 調整不要
【A2】⇒ レフト方向へ0〜1/8インチ調整
【B1】⇒ レフト方向へ0〜1/4インチ調整
【B2】⇒ レフト方向へ0〜1/2インチ調整
【ハイブリッド】⇒ レフト方向へ0〜1/8インチ調整
【ローダウン】⇒ レフト方向へ1/2〜3/4インチ調整

リングラテラルピッチ補正

(ミドルラテラルピッチと同じであるため割愛)

※ 逆ハの字型にピッチを入れる場合、ブリッジが貫通しない様に調整する必要があります。

【補足】 ピッチを変える時の注意

ラテラルピッチとバーティカルピッチとの相関関係には一定の法則があります。

何かの理由で、ラテラルピッチかバーティカルピッチを変える必要が生じ、 しかも、リリースのフィーリングをそのまま自然に保ちたいときは、応用することができます。
しかしこの場合、多少の球質の変化が現れると考える必要があるでしょう。

ポジティブ(ライト)方向のラテラルピッチ1/8インチに対し、 フォワード方向にバーティカルピッチ1/16インチの変化をさせることで、 フィーリングを保持することができます。
(つまり、【バーティカル0・ライト1/8】の穴と【フォワード1/16・ラテラル0】の穴は、ほぼ同じフィーリングが得られるということです。)

上級者向けアレンジ

親指の抜けるタイミングや中・薬指の乗り具合を変える為にバーティカルピッチを変更したり、 ローリングを変える為にラテラルピッチを変更すること等はプロでもやっており、 上級者までなると、それぞれ今の自分に最適なメジャーを探究していくことができるでしょう。

これまでのおさらいも兼ねて、以下に各メジャーポイントについて簡単にまとめています。

ミドル・リングスパン

長いほど、手首の可動域が狭くなり、指先のリフティング効果が高くなる。(リバースピッチを入れてフィーリング調整)
短いほど、手首の可動域が広くなり、手の平でのホールド感が高くなる。(フォワードピッチを入れてフィーリング調整)

サムホールサイズ

ターンをしないなら、ジャストサイズ若干きつめにした方が良い。
ターンをする場合は、引っ掛かって抜けにくくなるので、若干緩めにした方が良い。

フィンガーホールサイズ

ジャストサイズにすると、指先のリフティング効果が高くなる。
若干緩めすると、手の平でのホールド感が高くなる。

サムバーティカルピッチ

フォワードに振るほど、親指の抜けるタイミングが遅くなる。(スパンを短く、またはライトピッチを入れてフィーリング調整)
リバースに振るほど、親指の抜けるタイミングが早くなる。(スパンを長く、またはレフトピッチを入れてフィーリング調整)

サムラテラルピッチ

レフトに振るほど、小指方向に重心がかかって、縦(ストレート)回転になりやすい。(フォワードピッチを入れてフィーリング調整)
ライトに振るほど、人差し指方向に重心がかかって、横(フック)回転になりやすい。(リバースピッチを入れてフィーリング調整)

フィンガーバーティカルピッチ

サムリリース時の手首の角度とカップリング時の度合いによる。
上手くカップリングができている場合は、ややリバースに振った方が乗りが良くなる。
フォワードに振るほど、中・薬指がリッジ(角)に乗りやすくなる。
リバースに振るほど、中・薬指がフラット面に乗りやすくなる。

フインガーラテラルピッチ

基本は、サムラテラルピッチと連動させる。
レフトに振るほど、小指方向に重心がかかって、縦(ストレート)回転になりやすい。(リバースピッチを入れてフィーリング調整)
ライトに振るほど、人差し指方向に重心がかかって、横(フック)回転になりやすい。(フォワードピッチを入れてフィーリング調整)

アマチュアならあまり細かいことはできないでしょうが、可能な限り、いじってみる価値はあると思います。
今のメジャーに不安があるならば、ぜひ信頼のおけるドリラーにご相談してみて下さい。

ただ、あまりしょっちゅう変えていると、逆にスコアが悪くなってしまう場合もあるので、 特に痛みも出ず、ある程度良いメジャーに辿り着いたら、もうそれに固定してしまうべきでしょう。

ボウラーズショップ プリメーロ ボウラーズクラフト楽天市場店

ドリラーについて

ドリラーとは、ボールに専用ドリルで指穴を開ける技術者のことです。

ボールの穴はただ開ければ良いというものではなく、ボウラーの手の大きさや指の太さ、柔軟性等を総合的に分析し、 各個人の手に合わせた掘り方をする必要があります。
また、ボールについての知識を有していたりや、ボウラーの投げ方に合わせたドリルができるかどうかも、ドリラーのスキルの1つです。

上達するには、良いドリラーを見つけることが必要条件であると言ってもいいでしょう。
しかし、そんな高い技術をもち、かつ良心的なドリラーは数が少なく、多くの人にとって良いドリラーを見つけるのは難しいのが現状です。

ボールにルールがあってドリラーに資格がないのはおかしい、ということから、 1999年4月からJBC(公益財団法人 全日本ボウリング協会)による公認ドリラー制度がスタートしています。

公認ドリラー登録者にドリルしてもらった場合、「ボール検査合格証」を発行してもらえます。
これがないと参加できない競技会もあります。

実際にドリルしてもらわないと判らないですが、 注文時の対応を見て、良いドリラーかどうかをある程度探ることができます。
そのポイントをいくつか列挙してみます。

  • 「プロ」だったり「公認ドリラー」だったり、肩書きは一切気にしないこと。
    特に「プロ」は決して良いドリラーとイコールではなく、それどころか低レベルなスキルしか持たない方や、 超個性的で凝り固まったドリルをされる方もいらっしゃるのが現状です。
  • そのドリラーが開けたボールで投げているボウラーの評判が良いかどうか。
    特に、そのセンター以外で投げているボウラーからもドリルの依頼がよくされている様ならば、評判が良い証拠であると言えます。
  • ボウリングに情熱を持っているかどうか。
    顧客が楽しく、また良い結果が出るようにしたいという真摯な思いがあるかどうか。
    こちらが素人でも、話をしている内に自ずと判ってくると思います。
  • 投球を見てもらうのが一番ですが、それができない場合、顧客の情報を詳細に知ろうとするかどうか。
  • 顧客の希望や相談を丁寧に聞き、共に考え答えを導き出そうとする。決して押し付けない。

2球目以降のドリルの場合、現在使っているボールがベースになります。
必ずドリラーに見せましょう。
全く白紙の状態でメジャーしてもらう場合でもです。

微調整で済むなら、中級者なら1/8インチ前後、上級者なら1/16〜1/8インチレベルの修正で収めてくれると思います。

素人とは違い、ある程度分かっていることがあると思うので、 臆することなく、日頃の疑問や現状の不満があれば、それをぶつけてみて下さい。
完全に任せるよりは、その方が色々な意味で良い結果が得られると思います。

その他、ドリラーに伝えるべき情報を以下に列挙します。

  • 主に使用するレーンコンディション
  • 球速と回転のどちらが強いか
  • ボールの軌道のイメージ(走って切れる、ゆったり曲がる等)
  • 投球スタイル(ベーシックかローダウンか)
  • PAP(ドリルレイアウトについてを参照)
マイシューズ解説 ボウリンググッズ
マイボールの選び方 メジャーリング
ドリルレイアウト ボールメンテナンス
指の症状別対処法 指穴アジャスト法
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