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みなみの一からボウリングレッスン
3-2 レーンコンディションを知る

マイボウラー中級編 【適正アベレージ:166〜180】

このページはマイボウラー中級の方のみ御覧下さい。

レーンコンディションとは?

例えば、あなたが正確無比なコントロールをもっていたとして、 確実にストライクを取り続けていたとしましょう。
あなたはこのまま延々とストライクを取り続けることができると思いますか?

普通に考えるとできるだろうと思うでしょうが、実は答えは「NO」なのです。

ストライクを連取する為には、当然何回も同じラインにボールを通し続けることになる訳ですが、 暫くするとそのラインではストライクが取れなくなる、つまりピンにヒットするポイントがずれてくるのです。

何故そうなるのか?

レーンにはオイルが塗られているのは、ご存知ですよね?
標準的には、手前ファールラインからレーン全体の約2/3までの部分に、 レーンの保護やボールのスピードを維持する等の目的でオイルが塗られています。

オイルの塗られ方は一様ではなく、大抵端っこが薄く、真ん中が厚く塗られています。
また、時間が経てばオイルは乾いてきますし、ボールを投げるとボールにオイルが付くので、 投げれば投げる程オイルは減り、更に奥へと運ばれ延ばされていきます。
(この現象のことをキャリーダウンと言います。)

要するに、刻々とオイルの状態は変わっている訳で、毎回同じラインにボールを通し続けられたとしても、 ピンにヒットするポイントは毎回微妙に変わってくるので、先程の問の答えは「NO」となる訳です。

このオイルの状態のことをレーンコンディションと言います。
コントロール良く投げられるようになると、どうしてもこのレーンコンディションが気になってきます。
と言うか、むしろ、レーンコンディションに合わせて投げないといけなくなります。

そこで、レーンコンディションがどんな状態で、どの様に変化するのかを知っておきましょう。

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基本的なオイルパターン

レーンコンディションは、個々のセンターによって違いがあります。

例え同じ系列店で統一されたオイルパターンがあっても、 メンテナンスマシンの種類やその具合によっても変わってくるので、 一つとして同じレーンコンディションは存在しないと言ってもいいでしょう。

ただ、オイルパターンには、大きくいくつかのタイプに分けることができます。

基本的なオイルパターン(ミディアムコンディション) 【オイル:濃淡】
フラットレーン ブロックレーン クラウンレーン
フラットレーン
(ベタレーン)
ブロックレーン
(トリックレーン)
クラウンレーン
(クリスマスツリー)
端から端まで一様にオイルが塗布されたレーン。
オイルの濃淡でミスが補正されないため難しい。
板目ごとに濃淡がついてるレーンもある。
内側はオイルが多く、外側が極端にオイルが少ないレーン。
オイルの壁に沿って投げれば、ミスが補正されてポケットにボールが集まりやすい。
内側はオイルが多く、外や奥に行くにつれオイルの量が減っていくレーン。
どんなタイプのボウラーにとっても、公平で理想的なレーン。

オイルの塗布量や塗布ゾーンの長さ(奥行き)によっても、ある程度分類できます。
マイボールを購入する際の重要な参考材料にもなるので、是非覚えておいて下さい。

オイル量分類名
多いヘビー(Heavy)
やや多いミディアムヘビー
(Midium-Heavy)
普通ミディアム(Midium)
やや少ないミディアムライト
(Midium-Light)
少ないライト(Light)
乾いているドライ(Dry)
オイル長分類名
長い
(45ft前後)
ロング(Long)
普通
(40ft前後)
ミディアム(Midium)
短い
(35ft前後)
ショート(Short)

※ 簡易的にオイル量の分類のみで表される場合もあります。

センターによっては、現在のオイルパターンを掲示していることがあります。

もし見つけたら、参考にしてみて下さい。

ただし、これはあくまで「初期状態」なので、鵜呑みにはしないように。

右図は、私が通うセンターで掲示されていたオイルパターンです。

加古川アーバンボウルのオイルパターン

変化するコンディション

前にも言いましたが、レーンコンディションは、ゲームが進むにつれ、刻々と変化していきます。
我々ボウラーは、投げながらボールの動きを逐一観察し、随時その変化を把握していかなくてはなりません。

それができなければ、
「あれ、曲がりにくくなったな。投げ方が悪いのか?」
と、実際フォームはおかしくなくても、そのせいにしてしまう結果となります。

その場合、本当は、
「レーンコンディションが変わって、キャリーダウンが起きてるな。」
と考え、ラインを変えなければいけないのです。

例え、フォームが安定し、生きたボールが投げられるようになっても、 その内スコアはアベレージ180台位で頭打ちになります。
ほとんどの人は練習すればここまでは来れますが、ここから伸びないのは、 レーンコンディションに合わせた投球ができないからなのです。

そのレーンコンディションが変化していく訳ですが、だいたい変化するパターンは決まっています。
それを知っているだけでも、コンディションの変化に気付きやすくなると思うので、この機に是非覚えて下さい。

尚、各レーンコンディションの基本的な攻め方については、上級者編でご紹介します。

ブロックレーン(ミディアムコンディション)における変化の例 【オイル:濃淡】
初期状態 キャリーダウン ブレイクダウン ドライ状態
(1) 初期状態 (2) キャリーダウン (3) ブレイクダウン (4) ドライ状態
約0〜3G 約3〜15G 約15〜30G 約30G〜
メンテナンスしてから誰も投げていない初期状態。 バックエンドがクリーンで、オイルの境目がはっきりしている。 同じラインを投げ続けることで、手前のオイルが奥に運ばれて行く。 バックエンドでのボール動きが弱くなる。 更に投げ続けると、手前のオイルが擦り減り、薄くなっていく。 手前からボールが動き出してしまい、奥でへたれてしまう。 かなりゲームが進むと、手前のオイルがどんどん削られていく。 ドライゾーンを避けたライン取りが必要となる。

▼ 【ボウリング実験】レーンコンディション変化を可視化! - YouTube

レーンの読み方

大会の場合は「初期状態」からスタートすることが多いですが、 普通に練習しに来た場合は、いくらホームのセンターでも投げてみないことには判りません。
当然のことながら、元のオイルパターン、先客や一緒に投げるボウラー等によっても、 レーンコンディションの変化の仕方が変わってきます。

細かい戦術は第4章(上級者編)でするとして、 ここでは、レーンコンディションの把握の仕方(読み方)を説明しておきましょう。

オイルパターンと稼動具合を知る

センターによっては、オイル(塗布)パターンを公表している所もあります。
レーンコンディションは、そのオイルパターンをベースに変化するので参考になります。

また、そのレーンの稼動具合も、店員さんに聞いたら教えてくれる場合があります。
投げずに分かるに越したことはないので、得られる情報は大いに活用しましょう。

空調の具合を見る

室温や湿度、埃によっても、レーンコンディションは変わってきます。
乾燥するとレーンが遅くなり、湿気があると早くなります。
埃が積もると、それがオイルを吸って、コンディション変化が複雑、かつ早くなります。

ボールの回転と動きを見る

実際に投げてみて、そのボールの回転や動きの変化を観察することで、そのラインにおけるコンディションを推測します。

  • オイルゾーン上では、ちょっと空回りしているような感じで、ゆっくり目に回転します。
  • オイルゾーンを抜けると、フッキングが始まり、回転が早くなります。
  • フッキング中は、回転方向にボールの進行方向が変わっていきます。
  • フッキングが終わると、ボールは回転方向に直進し、完全に縦回転になります。

ちなみに、完全に縦回転になると、「ロールアウト」といって、いわゆる「死に球」になります。
ポケット付近に入っても、1〜2本残ったり、割れてスプリットになりやすくなります。

なので、フッキングが終わる直前の「斜め回転」が残っている「フックアウト」の状態で、ピンにヒットさせるのがベストです。

3本のラインを投げてみる

そのライン1本では、周辺のコンディションまでは分かりません。
以後、ラインをずらすことを考えて、あらかじめ3本くらいのラインを観ておきます。

初めて行くセンターなら、アウトサイドの「5枚目-5枚目ライン」、中間の「10枚目-10枚目ライン」、インサイドの「15枚目-15枚目ライン」の3本を見ます。
オイルパターンを知ってるセンターなら、オイルの壁があるストライクラインと、 左右2〜5枚平行移動したアウトサイドとインサイドのラインを見ればいいでしょう。

見た結果を総合し、それらのライン周辺のコンディションを推測、イメージします。

レーンコンディションに関する豆知識

  • 投球毎に備え付けのウェスで、ボールに付いたオイルを拭き取るのは、レーンコンディション変化を最小限に抑える働きもあります。
  • アメリカン方式は、レーンコンディション変化に関して、公平性を保つのが主な目的です。
  • サウスポー(左投げ)の方が有利と言われるのは、右投げの人とラインが重ならない為、 レーンコンディション変化が少なくて済むからです。(勿論、左投げの人ばかりで投げたら、メリット無いですが…)

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アプローチコンディションについて

投球フォームの最終ステップで左足をスライドさせる為、 アプローチのファールラインから1m強までのゾーンは、特に念入りに磨き上げたり、 滑りやすいようにコンディショナーが塗ってある場合があります。 (逆に、汚れている場合もありますが…)

その状態のことを、重い(滑りにくい)、軽い(滑りやすい)、と表現します。
「重い」と、突っかかって怪我の原因になったり、左脚にダメージが溜まりやすくなり、「軽い」と、フォームが不安定なら体勢が崩れやすくなります。

滑り具合については、基本その人の投げ方や好みによりますが、 要は、一番安定して投げられ、一番生きたボールが投げられたらいい訳です。

センターの人に頼んで、アプローチコンディションを変えて貰うのもありですが、 汚れていない限りは、自分のシューズのスライドパーツを交換して調節する様にしましょう。

シューズの裏のパーツが交換できない靴を履いている方は、上級者の域に達したいなら、 思い切って交換できるものに買い替えて頂くことをお勧めします。
シューズに関しては、みなみプロショップ - マイシューズ解説 を御覧下さい。

また、ゲームスタート前に、必ずアプローチをチェックする癖をつけて下さい。
目視で汚れを見つけた場合、それが自分の投球に悪影響を及ぼすと判断すれば、遠慮なくセンターの店員さんに清掃を頼みましょう。

更に、何箇所か実際にスライドしてみて、アプローチの滑り具合を見ます。
この時点でスライドパーツ等のセッティングを行い、ゲームに臨むようにしましょう。

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