ボウリングについて
ボウリングの起源は、古代エジプト、ローマ時代にまで遡ります。
16世紀にはマルチン・ルターがルールを統一し(当時は9本ピン)、ヨーロッパで貴族の遊びとして流行しました。
17世紀にはアメリカへ伝わり、レーンが酒場に持ち込まれ、賭け事の対象となっていました。
日本には、江戸時代に上陸、1861年6月22日に長崎にボウリング場が初めてできました。
この日を記念して、6月22日がボウリングの日となっています。
現在ではオートメーション化され、スコアもコンピュ−タが計算してくれますが、 昔(数十年前まで)はピンボーイがピンを立て、スコアはプレーヤーが自分で付けていました。
皆さんは1度くらいはボウリングをした経験があるのではないでしょうか?
ボウリングは、日本では最もポピュラーなインドアスポーツの1つ(日本はアメリカに次いで2番目のボウリング大国)ですし、 70年代(律子さんブーム?)や、90年代にもブームが起こっており、 その時にけっこうハマッててマイボールも持ってた、という方も少なくないでしょう。
現在ではブームも去り、かなり落ち着いた感がありますが、 若者からお年寄りまで楽しめるスポーツであることには変わりありません。
そんな手軽なレジャースポーツですが、ボウリングの奥深さはあまり知られていないのが現状と言えます。 それゆえ、本格的に始めるとその奥深さや面白さに気付かされます。
私は多くの人に真のボウリングの姿を知ってもらい、楽しんで頂きたいと思っています。
と言う訳で、まずはボウリングのことを知って下さい。
そうしたら、ボウリングがもっと面白くなるはずです。
ボウリングのいい所
ボウリングはれっきとした「スポーツ」です。
レジャーと思っている方も多いでしょうが、実はエネルギーの消費量は意外と多いんです。
1ゲーム約10分のエネルギー消費量は、平均40キロカロリーです。
これは、散歩30分弱、野球(チーム平均)15分、ゴルフ11分、テニス6分とほぼ同じです。
運動量の多さに比べて疲れを感じないのは、1投して次に投げるまでに間隔があり、自然に休むことになるからで、 他のスポーツに必要な瞬発力も特に必要ありません。(よって有酸素運動になります)
精神的にも、集中とリラックスを交互に繰り返すので楽に感じます。
運動量の割りに楽なので、老若男女誰でも長く楽しめる数少ない生涯スポーツであると言えます。
予防医学的に見ても、体力の維持増進、糖尿病や肥満、高血圧、肩こり等の予防に役立ちます。
と、いい所ばっかりですが、もちろん悪い所もあります。
皆さんもボウリングをすれば、必ずなるのではないでしょうか、「筋肉痛」。
あまり疲れは感じませんが、普段持つことの無い重いボールを振り投げる訳ですから、
腕や手指に掛かる負担はけっこう大きいものがあります。
あと、本格的に初めてから経験するのは「腱鞘炎」です。
特にまだフォームが固まってない頃は、無理な投げ方をしてしまいがちで、手首にかなりの負担が掛かってしまいます。
でも、これらはちゃんとケアしてれば防げるものなので、そう心配することはありません。
基本ルール
ボウリングは、数kgのボールを転がして、約18m先に立っている10本のピンを倒し、その倒れたピンの数を競う競技です。
1ゲームは10個のフレームに分かれていて、それぞれで10本のピンを倒した数をカウントします。
基本的に1つのフレームで2回投げるチャンスがあり、そのフレームで10本全部倒すとボーナススコアが付きます。
1投目で全部倒すとストライク(先2投分のスコアを加算)、2投目までに全部倒すとスペア(次1投分のスコアを加算)と呼びます。
ストライクになるとそのフレームは終了します。(2投目はありません)
最後の10フレーム目はボーナスフレームとなっており、ストライクかスペアを取ると3投目が投げられるようになっています。
全てのフレームでストライクを出すとスコアは300点になり(パーフェクト)、これがボウリングの最大スコアです。 公式ルールについては、公式ルール集をご覧下さい。
■ レーン概要
スコアの付け方
現在あるセンターのほとんどが、オートスコアリングシステムにより、 コンピュータがスコアを自動的に付けてくれます。ピンだってマシンが勝手にセットしてくれます。
でも、コンピュータやマシンは万能ではありません。
イレギュラーケースにより、間違ったスコアを付けたり、誤作動することが時々あります。
■ 主なイレギュラーケース
- ピンの位置がズレてセンサーが感知せず、スコアが多く表示され、マシンがピンをリセットしてしまう。
- ピンの位置がズレたもののスコアは正しく表示されたが、マシンがピンをスイープして(掃き出して)しまう。
- ピンが暫くふらつき最終的に倒れたが、センサーが感知せず、スコアが少なく表示される。
- 普通に立ってるピンを感知しない、或いはマシンがピンをスイープしてしまう。(これはメンテナンスが必要)
こんな時は、人間がフォローするしかありません。
店員さんを呼ぶのもいいですが、自分で解決できるなら、その方が手間が掛からずに済みますよね?
そこで、スコアの付け方を知っておくと便利です。
しかも、ゲームの面白さが倍増すること請け合いです。
そんなに難しくないので、ぜひ皆さん覚えて下さい。
下はボウリングのスコアの一例です。ここに、ボウリングスコアの全てがつまっています。
ここでは分かりやすく単位を『○点』で表現してますが、本当は『○ピン』ですのであしからず。
ストライク
1投目でピンを全て倒すとストライクとなり、×と両脇が黒く塗りつぶされたマークが入ります。
スコアは、このフレームで倒したピン数の10点と、ボーナスとして次の1投と更に次の1投で倒したピンの数も加算されます。
例では4フレーム目はこの後がストライクと8本で28点、5フレーム目はこの後が8本と1本で19点、10フレーム目は10点のみが入っています。
要は、ストライク直後の2投分の点が2倍になるということなので、4フレーム目の様に連続すると一気に高得点が入ります。
パチンコする方なら分かると思いますが、確変で連荘(レンチャン)ならたんまり儲かり、途切れると普通に戻ってやり直しですよね。
ボウリングも、いかにマークを連続して出せるかが勝負なのです。
◆ 連続ストライクの呼び名 ◆
2:ダブル、3:ターキー、4:フォース、5:フィフス、6:シックスス、7:セブンス、8:エイス、9:ナインス、10:テンス、11:イレブンス、12:パーフェクト
スペア
1投目で残ったピンを2投目で全て倒すとスペアとなり、/と右下半分が黒く塗りつぶされたマークが入ります。
スコアは、このフレームで倒したピン数の10点と、ボーナスとして次の1投で倒したピンの数も加算されます。
例では2フレーム目は次がガターで10点のみ、8フレーム目は次が3点で13点、9フレーム目はストライクで20点が入っています。
要は、スペア直後の点が2倍になるということなので、2や8フレーム目の様に倒したピンが少ないと非常に勿体ないことになります。
ガター
レーンの両脇の溝(ガター)に落ちると『ガター』となり、1投目なら『G』、2投目なら『−』が入ります。
『ガーター』ではありません。『ガター』です。
当然、ピンを倒せてないのでスコアは0点となります。
例では3フレーム目に『G』があり、1投目は0点、2投目は6点で、このフレームは6点となります。
ファール
投球者の身体の一部がファールラインを超えるとファールとなり、 倒れたピンの数に関わらず、1投目なら『F』、2投目なら『−』が入ります。スコアは問答無用で0点となります。
例では8フレーム目に『F』があり、結局2投目がスペアで10点が入ってます。
普段はファールが入らないように設定されてますが、大会など公式戦では、公式ルール通りファールとなります。
ミス
2投目で1本もピンを倒せなかったらミスとなり、『−』が入ります。
もちろん、ピンを倒せてないのでスコアは0点で、同じく0点のガターやファウルの場合も『−』が入ります。
例では1フレーム目に『−』があり、1投目は9点、2投目は0点で、このフレームは9点となります。
スプリット
スプリットとは、1投目を投げて残ったピンが2本以上で(1番ピンは倒れている必要がある)、
その間にピン1本以上の空きがあるか、同列(前か後の列にピンがない、左右隣にピンがある状態)の残り方のことを言います。
1投目を投げて、スプリットの条件を満たした形にピンが残れば、丸で囲まれたスコア(数字)が入ります。
例では6と10フレーム目にあり、共にスペアメイクに失敗しています。
スプリットについて詳しくは、2-3 スペアの取り方をご覧下さい。
10フレーム目について
10フレームだけマスが3つあるのが分かると思います。
ここだけはちょっと特殊で、2投目までにストライクかスペアが出ると、3投目まで投げることができるボーナスフレームとなっています。
と、ここで疑問に思った方。あなたはエライ!
「ストライクやスペアのスコアの入り方は分かったけど、もし3投目でこれが出たらどうカウントするんだ?」
ということで、10フレーム目では、ストライクもスペアもただの10点と決められています。
2投目までで出しても、その後のスコアは一切加算されません。
ここで勿体ないのは、10フレームだけでターキーを取るケース。(パンチアウトと言います)
普通のターキーなら最低でも60点は入るのに、ここではたった30点しか入りません…。
ハンディキャップ
友達とボウリングで勝負するが、力の差がありすぎていつも同じ結果になるのでつまらない。
そういう場合には、全員にハンディキャップを付けます。
ここで、最も一般的なハンディキャップの付け方を御紹介しましょう。
まず、アベレージ(最近の平均点)が一番高い人、要するに一番上手い人のハンディキャップを0とします。
残りの人は、一番上手い人のアベレージから自分のアベレージを引いた値を計算します。
細かい数字は分からないでしょうから、だいたいでも結構です。(5点単位ぐらい)
その数字の8割があなたのハンディキャップとなります。
ハンディキャップは、ゲームが終了した時点で純正スコア(スクラッチ)に加えます。
下にハンディキャップの例を示します。
名前 | A君 | B君 | Cさん | Dさん | Eちゃん |
---|---|---|---|---|---|
アベレージ | 145 | 120 | 90 | 105 | 75 |
ハンディキャップ | 0 | 20 | 44 | 32 | 56 |
公式ルール集
いつも何気なくゲームをしていて、ふと気になったことはありませんか?
例えば、残ったピンが元の位置からかなりずれているとか、機械が勝手にかたずけちゃった場合、 正式にはどういうスコアになるのでしょうか。
このコーナーでは、代表的な公式ルールを御紹介したいと思います。
投球の成立 | ボールが投球者から離れ、ファールラインをこえた時をもって、適正に投球されたものとします。 つまり、この条件さえ満たされなければ、ルール上は何度でも投球動作のやり直しができます。(でも遅延行為は御法度です) |
---|---|
ピンが倒したピン | 他のピンで倒されたピン、キックバックやクッション、マシンなどから跳ね返ったピンによって倒されたピンは、全てカウントされます。 |
オフセット | 投球後、ピンの配列がオフセットの状態であることが発見されても、 その投球は認められ、倒れたピンは全てカウントされます。 |
デッドウッド | 投球によって倒され、レーンの上やガターの中に横倒しになっているピン、あるいは、キックバックや側面の仕切りに寄りかかっているピンは、 全てカウントされます。これは、次の投球が行われる前に取り除かなければなりません。 |
ガターボール | 投球されたボールがガター、またはクッションから跳ね返った場合、そのボールによって倒されたピンはカウントされません。 倒れたピンは、もとあった位置に立て直します。 |
機械が勝手に… | マシンの作動によって倒されたピンは、もちろんカウントされません。(それがマシンによるものなのかどうか不明瞭な場合も含めます)。 倒れたピンは、もとあった位置に立て直します。 |
立っているピン | 倒されたピンが跳ね返りながら、再び立ってしまったピンは立っているものとみなします。 つまり、カウントはされません。この場合、立っているピンは動かしてはいけません。 残ったピンが元の位置からずれて立っている場合も、もちろんカウントされません。 1投目の後、ピンはどこであっても立っている限り、残りピンと見なされるのです。 |
デッドボール | 次の様な場合、デッドボールが宣告されて、得点となりません。デッドボールが宣告された場合は、ピンを再配置して、再度投球を行います。 (1)投球直後に、1本以上のピンが配列から脱落していることが明らかとなった場合。 (2)投球動作中、他の競技者に触れた場合。 (3)投球動作中、観衆、動く物体、光等によって、妨害された場合。 (4)投球されたボールが、ピンに到達する前に他の障害物(5mm以上)に触れた場合。 (5)ファールをしていないことが、明らかにされた場合。 |
レーンや投球順序の間違い | レーンもしくは投球順序を間違え、その間違いが発見された場合は、発見されたフレームのみデッドボールとなりそれ以前のフレームは生かされます。 そして次のフレームより、正しい予定されたレーン及び順序で投球し直さなければなりません。 |
ファール | ファールとなった場合、その投球は0点になります。 |
使用ボール | ボウリングに使用されるボールは、以下の規定を全て満たしていなければなりません。 (1)硬度: 72度以上 (2)ホール: 5個以内(サム・ミドル・リング・バランスorエキストラ[1-1/4インチ以下]・ベンチング[通気口:1/4インチ以下]) (3)バランス: 公認競技で使用されるボールは、サム、フィンガー、エキストラ、ベンチングホール等の加工をした後、相対する6ヶ所の側面で、バランスが許容範囲以内でなければなりません。 穴無しボールもこの基準で取り扱われます。詳しい値は下表参照。 (4)表面の状態: 正しいプラグ作業の他は、いかなるものも埋め込んだり、貼り付けたり、また異物(クリーナー等)が付いたまま投球してはいけません。 (5)内部の状態: いかなる場合でも、内部に空間を作ってはなりません。 プラグをする場合、レジン(樹脂)等一般的なボールに使用されている素材で穴を埋めなければなりません。 |
(日本ボウリングルール NBR 1998年度改訂版より抜粋)
10.01ポンド以上 | 8.00〜10.00ポンド | 8.00ポンド未満 | |
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トップとボトムの差 | 3オンス以内 | 2オンス以内 | 3/4オンス以内 |
ライトとレフトの差 | 1オンス以内 | 3/4オンス以内 | 3/4オンス以内 |
フロントとバックの差 | 1オンス以内 | 3/4オンス以内 | 3/4オンス以内 |
サムホール無しの場合 | 1オンス以内 | 3/4オンス以内 | 3/4オンス以内 |
フィンガーホール無しの場合 | 1オンス以内 | 3/4オンス以内 | 3/4オンス以内 |
穴・窪み無しの場合 | 1オンス以内 | 3/4オンス以内 | 3/4オンス以内 |