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インドネシアの国勢

ようこそいらっしゃいました!
まず、こちらの基礎知識で、インドネシアがどんな国かを知りましょう!

おことわり

このページは、2010年11月25日を最後に、記事内容の更新がされておりません。
現在の情報とは異なる部分が存在する可能性がありますので、大変申し訳御座いませんが、その旨ご理解の上でご覧頂ければ幸いです。

インドネシアとは?

インドネシアは、正式国名(和名)で『Republic of Indonesia(インドネシア共和国)』と言います。
世界的に有名な、勿論日本でもおなじみのバリ島は、このインドネシア共和国に属しています。

日本人からすれば、バリ島そのままの南国の楽園の様なイメージがありますが、 実はバリ島はインドネシアの中でも特別にリゾート化されており、 また宗教の違いから文化的にも変わった土地なのです。

といっても、バリ島だけが独特なのではなく、多くの民族が存在しており、それぞれが固有の文化をもっています。

だから、インドネシアのことを知ると、色々な発見があって面白いと思いますよ。

インドネシアの国土

基本データ

インドネシア共和国は、日本のはるか南、アジアとオーストラリア大陸の間、及び、インド洋と太平洋の間に、 赤道をはさんで北緯6度から南緯11度、東経95度から141度の間に位置し、南北1,888km、東西5,110km(米国の東西両海岸間の距離に匹敵)、 総面積約1,919,440km2(日本の約5倍)であり、大小合わせて14,000以上の島々からなる世界最大の島嶼国家です。

下に世界から見たインドネシアの位置と、インドネシア全土の地図を示します。

アジア地図
▲ アジア地図
日本は上端中央、インドネシアはオーストラリアの左上。
インドネシア地図
▲ インドネシア地図
首都ジャカルタは、ジャワ西部の北端。

東西に長い国土を持つ為、インドネシアには3つの時間帯があります。

  • 東部(イリアン・ジャヤ、マルク諸島): 日本時間と同じ
  • 中部(バリ島、スラウェシ島、カリマンタン等): 日本時間-1時間
  • 西部(ジャワ島、スマトラ島等): 日本時間-2時間

地形

地質学的にみると、インドネシアは世界で最も複雑な構造を示す地域の一つです。

大きくみれば、2つの古く安定した陸地、つまりアジア大陸の延長としてのスンダ大陸と、 オーストラリア大陸から伸びたサフル大陸とによって構成され、その間は、深い海の底に沈んだ峡谷部と、 海面上に出た頂上部(島)が交替している複雑な地域となっています。

簡単に言うと、インドネシアには、アジアとオーストラリアの境目(ウォーレス・ライン)があり、そこを境に動植物も変化しているという訳です。

インドネシアで有名な動植物で例を挙げてみましょう。

  • ラフレシア: 世界最大の花で寄生植物、スマトラ島に植生、アジア系
  • オランウータン: 絶滅が危惧される霊長類、カリマンタン島に生息、アジア系
  • コモドオオトカゲ: 世界最大の爬虫類、小スンダ列島のコモド島周辺に生息、アジア系
  • 極楽鳥: 綺麗でカラフルな羽を持つ鳥、ニューギニア島に生息、オーストラリア系

アジア系は古代的で体の大きな生物が多く、オーストラリア系は色彩豊かな生物が多い様です。
地形的には、同じ島国であり、火山を多く抱える日本とは似ている面があるといえます。

気候

インドネシアの大部分は、赤道周辺にある為、一年中高温で気温差が少なく、常時降雨がある熱帯雨林気候となっています。

気温は、年間を通してほぼ一定で、23〜31℃位(平地)あります。一年中半袖で暮らすことができる気温です。 (総支配人は、一年中Tシャツでした。)

一方降水量は、地域によって大きく2つのパターンに分かれます。

スマトラ中央部では、年降水量が3,000mmにも達するのに対し、東部群島のある島では僅か数十mmという差があり、 要するに、インドネシア全域が熱帯雨林気候という訳ではなく、 ジャワ東部や小スンダ列島等は、乾季と雨季のあるサバナ気候となっている訳です。

又、カリマンタンやイリアン・ジャヤの高地は、温帯気候になっています。

ところで、総支配人の住んでいた首都ジャカルタは、ジャワ西部にあたる訳ですが、 ジャカルタには乾季と雨季があり、(準)サバナ気候でした。

何故サバナ気候が出現するのかには理由があります。
それは、日本の気候にも大きな影響を及ぼしているモンスーン(季節風)が原因です。

インドネシアでは、10〜3月頃にかけては、北半球からの季節風が西風となってインド洋の湿った空気を運び、雨をもたらします。
即ち、この時期が雨季となります。

一方、4〜9月頃にかけては、南半球からの季節風が南東の風となって、オーストラリア大陸の乾いた空気を運び、 赤道以南の地域に乾季をもたらします。
ところが、この季節風は、赤道を越えるころには、熱帯の海水から水蒸気を補給され、湿った南西の風に変わり、赤道以北の地域には雨をもたらします。

要するに、この地域は乾季がほとんど無く、熱帯雨林気候となる訳です。

ちなみに、近年よく耳にする、異常気象の原因の一つとされるエルニーニョ現象ですが、 1997〜1998年の大規模なエルニーニョの際、インドネシアでは雨季に雨が降らず大旱魃に見舞われました。
あちこちで山火事が発生して、近隣諸国に煙害をもたらした事は、日本でもニュースになりました。

インドネシアの人口

約3,500の島々に人が住んでおり、人口は2億3,132万8092人で、2002年時点で世界第4位です。
人口は年々増加傾向にあり、ここ30年でみると、人口増加率は2%前後で推移しています。

人口の分布状況をみると、著しく不均等で、大都市の多いジャワ、マドゥラ島(ジャワ島の右肩にくっついている島)に 全人口の60%が住んでいるという、超過密状態である一方、カリマンタン、イリアン・ジャヤは極度の過疎地帯となっています。

ジャワに人口が集中している理由には、次の2点が挙げられます。

  1. 肥沃な火山性の土壌に恵まれ、水田耕作のもと、多くの人口維持が可能であった。
  2. かつて、ジャワの住民が、オランダの植民地経営に対して、人口の増加という形で対応した。

ジャワの中でも、特に首都ジャカルタを始めとする各大都市に人口が集中しています。
その理由は、地方農村部で生活に困り、都市部に移住する者、出稼ぎをする者が多いからです。

首都ジャカルタは、一見近代的なビルが立ち並ぶ一大都市に見えますが、中心部を離れると、 彼らが多く住む都市の中のムラ(カンポン)が見受けられます。
彼らは、運転手や行商人等をして生計を立てており、近代的なビルで働いている者はごく一部で、 上等の教育を受けている者がほとんどです。

首都ジャカルタに行くと、この様な貧富の差が大変目立ちます。

インドネシアの政治

インドネシアは、1945年憲法に基づく立憲共和国(大統領制)で、
パンチャシラ(建国5原則)を国是としています。

国章はインド神話の神鳥「ガルーダ」(下絵)、 国旗は上下の紅白旗(赤は勇気、白は純潔)、 国歌はインドネシア・ラヤ(偉大なるインドネシア)です。

ガルーダ

パンチャシラは、憲法の前文に組み入れられており、 インドネシアの基本的な考え方として採択され、 現在に至るまでインドネシア共和国の指導原理と見なされています。

パンチャシラ(建国5原則)

  1. 唯一神への信仰(
  2. 公平で文化的な人道主義(:鉄の鎖の様な強い連帯感)
  3. インドネシアの統一(菩提樹:民族の違いはあっても1本の木に集まる)
  4. 協議と代表制において英知によって導かれる民主主義(:勇気を持って権力を持つ)
  5. インドネシア全人民に対する社会正義(稲と綿:食物と衣類の象徴、社会の繁栄)

国民協議会(MPR)

憲法の制定、国策の大綱の決定、正副大統領の選出をする国権の最高機関で、5年に1度開催されます。
構成定員は1,000名で、半数が国民議会議員の兼任、残りは大統領が任命する議員です。

国民議会(DPR)

選出議員400名と国軍代表の任命議員100名から成り(現在は550名の選出議員のみ)、 選出議員は5年に1度の国政選挙の政党別得票率によって、比例代表制で選出されます。
DPRは、法律の承認権を有し、宣戦布告、停戦協定、条約締結に関して、 大統領に同意を与えるものとされています。

大統領

大統領は国民協議会の多数決によって選出され、任期は5年です。
国家の元首であるとともに行政府の長であり、国家権力の全てが大統領の手に集中する形となっています。
非常に強大な権限を有しており、この権力を唯一チェックできるのは、国民協議会のみです。

国政選挙

原則5年に1度行われています。
政党は、昔は3つに絞られていて、各団体にシンボルマークとカラーを持つことを義務付けられていました。
かなり熱が入るため、投票前5日間は選挙運動が禁止されるほどです。

今は民主化の動きにより、多くの小さな政党が誕生、大統領も直接選挙で選出されるようになっています。

選挙権は、インドネシア国籍を持つ満17歳以上の男女、または既婚者に与えられています。
被選挙権は、インドネシア国籍を持つ満21歳以上の者に与えられています。

民主化される前は、軍が政治の権力を握っているといっても過言ではありませんでした。
そのインドネシア国軍は、陸・海・空と国家警察の4軍からなり、40万人ほどの兵力を有しています。
その半数が陸軍で、ついで国家警察、海軍と空軍は数万人程度となっています。

インドネシアの経済

産業構造の特色を一口で表現すると、石油・天然ガス等の豊富な資源を有する農業国と言えます。

だいたい、農林水産業が2割強、鉱業が1.5割、製造業が2割、商業・飲食業が2割弱となっていますが、 農林水産業が減少、製造業が増加する傾向にあります。

国家財政は、まずまず健全であると言えます。
歳入の3割が石油や天然ガスの収入、2割が外国からの援助で賄われています。
歳出は、3割が外国からの借款の元利払いで、最大の項目になっています。

貿易状況を見ると、やはり輸出の半分近くを石油・天然ガスが占めています。
その他では、合板・ゴム・繊維・エビ等が挙げられます。
輸入を見ると、機械機器が4割を占め、その他、化学製品や工業製品が目立ちます。

インドネシアの経済の一端を担う勢力に華僑が挙げられます。
華僑とは、一般に海外に居住する中国人(主に広東・福建省)のことで、そのほとんどが東南アジアに住んでいます。
政治にも力を付けたのも相まって、インドネシア人の反華僑感情は根強く、 デモや暴動が起きた際、真っ先に被害に遭うのが、華僑の商店や自動車です。

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