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みなみの一からボウリングレッスン
S-2 知られざるボウリングの世界

特別編 【適正アベレージ:なし】

このページはどなたでも御覧頂けます。

業界について

まず、はっきり言います。
ボウリングは、衰退産業です。

残念ながら、そう言わざるを得ません。
業界人なら、誰しも頭では解っていることでしょう。

ボウリングは、1970〜80年代に一大ブームを迎えました。
その後、一旦盛り返した時期もありましたが、基本的には衰退が続いています。

他の娯楽コンテンツが豊富になってきたことも原因に挙げられますが、 根本的には「業界」自体に問題があると言えるでしょう。

コストが高い

昔に比べれば、パック料金や時間貸し、投げ放題などのプランが開発されて、ゲーム単価が下がっては来ているものの、 ライトユーザーから見れば、まだまだ料金が高いと言える。

特に問題なのは、『レンタルシューズ代』ではないだろうか。
あれが別に付くことで、どうしても割高感が出てしまう。

基本はゲーム代に含めて、マイシューズなら割引する方が良いのではないかと思う。

また、ボウラーになっても、ボールなどの用品を揃えるのにけっこう費用がかさんでくるが、 これについては、インターネット通販が浸透してから、だいぶ単価が下がってきた感がある。

ただボールだけは別で、ドリル代などの技術料は昔とほとんど変わっておらず、ここではしっかり稼ぐ構図となっている。

スポーツとしての認知度が低い

ブームの頃は、中山律子プロを筆頭に、全国区で認知されていた様に思われるが、 現在、トッププロを知っている一般人が果たしているだろうか。

ボウラーに人気があっても、一般人に認知されていなければ、全く集客にならないのである。

ただボウリングは、ブーム以降、レジャーとして定着したこともあり、ジリ貧でも何とか勢力を維持してきたが、 娯楽コンテンツが増えた昨今では、もはや減少傾向に歯止めをかけることは不可能であると言えるだろう。

よって、ボウリングが生き残っていくためには、一般人にボウリングがスポーツであると認知させ、 スポーツボウリング人口を増やし、本来の魅力を存分に生かしていく必要があると考える。

単独型から複合型施設へ

今の時代、ボウリングだけでの集客は、あの業界最大手のラウンドワンですら困難である。
それは他の娯楽コンテンツも同様であり、ボウリングと他のいくつかのコンテンツを集めた複合型施設を形成する必要性がある。

私が、ボウリング場に一番必要だと考える施設は、『フードコート』である。
ベンチで投げながら飲食するのではなく、例えばサークルで汗を流した後にフードコートに移動して、食事とおしゃべりを楽しむというものである。

勿論、フードコートからはボウリング場が一望できるようにする。
ショッピングセンターやモール内にあるボウリング場なんてなかなか良い立地だと思うが、フードコートからボウリング場が見える所が果たしてどれくらいあるだろうか。

あと、ゲームセンターを併設している所が一番多いと思うが、私はこれはあまり良くないと考える。

特に、メダルゲームやパチスロコーナー。
あれは一般的にダーク(賭け事的)なイメージがあり、ボウリングとは合わない。

あってもいいが、これは逆にボウリング場からは見えないようにするべきだろう。
でも、リタイアした老年ボウラーには、意外と好きな人が多いのもまた事実。外すのは難しいか…。

組織があまりにお硬く旧態依然

どのスポーツ界でも似たようなものだと思われるが、 ボウリング業界でも、協会と称される中央組織が旧態依然としており、 誰しも改革が必要なのが判っているのに、ほとんど身動きが取れない状況が見受けられる。

私もかつて、某協会や会員について調べたことがあったが、全く入る気はしなかった。
当然、プロを目指すなど、ボウリング界で活躍するには目を瞑るしかないのだろうが、 その実態を知れば知るほど、「ボウリングとは楽しむまでに止める」考えにシフトしていったのである。

そんな私の様な『中間層ボウラー』を増やしていかないと、ボウリング業界の未来はないと考える。
つまりは、今ラウンドワンが大量に生み出している『キャンペーンボウラー』を定着、発展させるのが至上命題なのである。

しかし、そんな彼ら発展途上ボウラーの育成能力が絶対的に不足しているという、あまりに残念な現実がある。
育成するべきセンタースタッフ(ドリラー、インストラクターなど)のスキルが、あまりにお粗末な人が多過ぎるのだ。

プロやドリラー、インストラクターのシステムを根本的に見直さなければ、現状はなかなか変わっていかないであろう。

勿論、ボウリング業界にも改革分子はおり、色々動きはある様だが、 ほとんどが潰れたり、遠吠えに終始するなど、なかなか成果が出ることはないようである。

人を肩書きで見るべからず

人は、肩書きを信用してしまう傾向があります。
が、ボウリングにおいては、これを鵜呑みにしてしまうのはあまりに危険です。

一番絶対的な力を持つ肩書き「プロ」が、一番の厄介者です。
プロは毎年男女10名近く誕生しており、総勢1000名を超える状況となっています。

一言で「プロ」というと、公式戦に出て賞金を稼ぐというイメージがありますが、試合だけで食っていくのはトッププロでも困難です。(賞金があまりにショボイ…)
ほとんどのプロがセンターやメーカーに所属し、その業務もこなしつつ活動しています。

上位に入れないプロは、店の業務をこなしつつ、センターコンペやプロチャレで稼ぐ等して生計を立てています。
また、インストラクターやドリラーに特化して、プロショップ業務に専念している人もいます。
中には、プロという肩書きを持ったまま、惰性で仕事をしている人もいるでしょう。

「プロ」と言っても、色んな人がいるのです。
その肩書きに惑わされず、その人の活動やその成果をしっかり見定めることが必要です。

真摯であり、決して押し付けることなく、いつまでも向上心を持ち続けている人なら、きっと信用できることでしょう。

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