みなみの一からボウリングレッスン
S-1 かんたんトレーニング法
特別編 【適正アベレージ:なし】
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スポーツに鍛錬はつきもの
ボウリングは、れっきとしたスポーツです。
よって、成績を上げる為には、トレーニングが必要不可欠であると言えます。
だいたいの競技全般に言えることですが、ボウリングにとっても、 下半身を重視した筋力トレーニングや頭脳トレーニング、メンタル(精神)トレーニングが必須となります。
ただ、他の競技と違う特徴もあります。
まずは、筋力トレーニングにおける「下半身」の重要度が高いということと、 「筋力」に対する「頭脳」や「メンタル」の必要比率が高いということです。
この特徴に合わせて、総支配人がおすすめする各種トレーニング法を、これからご紹介していきたいと思います。
尚、トレーニングの効果はすぐには出ませんので、無理なく継続して行えるようにして下さい。
手軽に楽しく、「辛い」と感じないように、各自工夫して行いましょう。 成果が得られるようになれば、それが「喜び」となり、習慣的に行えるようになるはずです。
ストレッチは欠かさずに
投球を始める前にはウォームアップを、後にはクールダウンを習慣にしましょう。
ボウリングに限らず、全てのスポーツにおいての常識ですが、 ウォームアップには「柔軟性の向上」「怪我の防止」が、クールダウンには「疲労回復」「炎症の防止」の効果があります。
いわゆるストレッチになる訳ですが、ボウリングにおいては特に重視して頂きたいポイントがあります。
それは、「肩甲骨周り」「前腕〜肘」「手指〜手首」「股関節」「膝」「アキレス腱」です。
いずれも、ボウリングで特に負担が大きい箇所になりますので、しっかりストレッチを行うようにして下さい。
尚、クールダウンにおいては、手指を冷やしたり、マッサージを施すのも有効な方法となります。
ボウリングに有効なストレッチ例
- 肩:腕を鎖骨の前で真っ直ぐにし、もう片方の腕で肘の辺りを固定する。
- 前腕:手の平を上にして腕を前に真っ直ぐ伸ばし、片方の手で指先を下に折り曲げる。
- 肘:肘の下(前腕側)辺りを両脇から揉み解す。
- 手指:各指を片方の手で握り、ゆっくり手の甲側へ反らせる。
- 手首:手首の上(手側)を片方の手で握り、色々な方向へゆっくり動かす。
- 股関節:四股踏みの様に股を大きく広げて伸ばす。
- 大腿他:蹲踞(そんきょ)の状態から、片方の膝を腕で押し下げながら、上半身も捻る。
- 膝:ゆっくり屈伸運動をする。
- アキレス腱:アキレス腱伸ばしをしながら、ゆっくり重心を下げる。
※ 申し訳ありませんが、詳しい方法は、各自専門のホームページでご確認下さいませ。
下半身トレーニング法
ボウリングにおいては、下半身の鍛錬が最重要視されます。
下半身が緩いと、そもそも安定して歩けませんし、上半身も力んで投球が乱れる原因となります。
また、力強い蹴り足があれば、しっかり手前を走らせることができ、ピンまでパワーを失いにくくなります。
下半身のトレーニングは、スコアを伸ばすには絶対的に必要不可欠であると言えます。
ここでは、私が色々試した中でおすすめなトレーニングをいくつかご紹介したいと思います。
ジョギング(下半身全体・バランス感覚・心肺機能を鍛える)
一番のおすすめは、やっぱり「ジョギング」です。
体育会の下半身トレーニングの王道「走り込み」!
でも、辛くちゃ意味がないので、楽しく続けられるようにする為にも、時速8〜10qの遅めのジョギングが最適です。
最初は無理なくウォーキングから始めて、少しずつジョギングを混ぜていって下さい。
とりあえずは時速8qくらいで。
歩幅も小さくけっこうゆっくり走ると、これ位のスピードになります。
意外と息も上がりません。2〜3qくらいは軽く走ることができるでしょう。
物足りないと感じたなら、時速10qくらいまで徐々に上げてみましょう。
普通に走る位のスピードですが、意外と息が上がってきます。
上手くトレーニングできれば、下半身が使いやすくなり、フォームの安定感が向上します。
トレーニングのポイント
- 【A】タイプの方はみぞおちを、【B】タイプの方は腰を意識し、進行方向へ移動させる。
- 重心を下げ、上下動を抑えて走る。競歩の様なイメージ。
- 1回20〜30分を目安に、できれば週1〜2回行うと良い。
縄跳び(下半身全体・バランス感覚・心肺機能を鍛える)
次におすすめなのは「縄跳び」です。
身体全体に効く万能トレーニング法です。
トレーニングのポイント
- 砂地や芝生、マットなど「柔らかい地面」上で行う。
- 普通の跳び方で、1分間(100回程度)を2〜3セット行う。できれば週2回行うと良い。
- 慣れてきたら、楽しむ意味で、色々な跳び方をしてみるのもいいだろう。
四股踏みスクワット(太腿・臀部・バランス感覚を鍛える)
上記2つは外へ出ないといけないので、それがなかなか難しいと言う方は、最低でも在宅筋トレは行うようにしましょう。
私のおすすめは、「四股踏みスクワット」です。
一番簡単に、且つ効果的に鍛えられる上、重心も意識できるし、ストレッチにもなるし、もってこいのトレーニング法です。
トレーニングのポイント
- 足の爪先を外側に45度以上開き、脚を大きく横に広げて立つ。
- 膝の角度が90度になるように、足の開き方を調整しながら腰を落とす。
- 太腿ももちろんだが、特に股関節を意識し、お尻の筋肉に負荷が掛かるようにする。
- 背筋をピンと伸ばし、猫背にならない。前に倒れたら、腹筋が弱っている証拠。
- そのまま、ゆっくりとした呼吸のリズムに合わせて、腰の位置を上下させる。
- 10〜20回を2〜3セット行う。できれば隔日(2日に1回)で行うと良い。
- 慣れてきたら、爪先立ちや、静止、四股踏み(片足上げて下ろす)を入れてもいいだろう。
ハーフスクワット(太腿・臀部を鍛える)
スクワットは太腿を鍛えるのに最適なトレーニング法ですが、やり方を間違えると膝を痛めやすいので注意が必要です。
お尻を後ろに突き出し、膝が爪先から前に出ないようにすれば、負担を最小限に抑えられます。
トレーニングのポイント
- 正面の壁際5cm位の所に、肩幅と同じかやや広めに脚を広げて立つ。
- 軽くひざを曲げ、息を吐きながら、椅子に腰掛ける程度まで腰を落とす。
- やや静止した後、腰を上げていく。直立にはならないこと。
- 20〜30回を2〜3セット行う。できれば週2〜3回行うと良い。
爪先立ち運動(脹脛を鍛える)
最後に、脹脛(ふくらはぎ)のトレーニングです。
トレーニングのポイント
- 軽くひざを曲げて立ったまま、爪先立ちを繰り返す。
- 20〜30回を2〜3セット行う。できれば週2〜3回行うと良い。
上半身トレーニング法
ボウリングにおいては、上半身のトレーニングにはあまり重要性はありません。
何故なら、下手に鍛え過ぎてしまって上半身に力みがでたら、逆にコントロールが乱れてスコアが下がってしまう危険性があるからです。
とは言え、重いボールを振り回す訳ですから、ボールを支える最低限の筋力は維持しておく必要があります。
ここでは、私が色々試した中でおすすめなトレーニングをいくつかご紹介したいと思います。
腕立て伏せ(脇の下、上腕の裏、胸筋、肩甲骨周りを鍛える)
体幹も含めて、上半身を全体的に鍛えられるので、一番のおすすめとなります。
トレーニングのポイント
- 脇をしっかり締めて、体はまっすぐに伸ばした状態で行う。
- 10〜20回を2〜3セット行う。できれば週1〜2回行うと良い。
リストカール(前腕を鍛える)
ダンベルが必要です。無ければ、500mlペットボトルに砂や液体を満たして代用して下さい。
トレーニングのポイント
- 椅子に座り、手の平を上に向けた状態で両手にダンベルを持ち、前腕をひざの上に固定。
- ゆっくりと手首のみを曲げてダンベルを上げ下げする。
- 10〜20回を2〜3セット行う。できれば週1〜2回行うと良い。
ハンマーカール(前腕、上腕を鍛える)
ダンベルが必要です。無ければ、500mlペットボトルに砂や液体を満たして代用して下さい。
トレーニングのポイント
- 手の平を内側に向け、両手にダンベルを持って立つ。
- 肘を固定し、ゆっくりと胸の辺りまでダンベルを上げ、ゆっくりと戻す。
- 10〜20回を2〜3セット行う。できれば週1〜2回行うと良い。
体幹トレーニング法
サッカー日本代表の長友選手でお馴染み、近年流行している体幹トレーニングも、ボウリングで威力を発揮します。
姿勢が良くなり、ボディバランスが向上することで、投球フォームのバランスが崩れるのを防止することができます。
また、重心が定まりやすくなることで、体重移動がしっかりできるようになります。
下半身トレーニングと合わせれば、正に「鬼に金棒」です。
ここでは、私が色々試した中でおすすめなトレーニングをいくつかご紹介したいと思います。
プランク・ブリッジバランス(腹筋、胸筋を鍛える)
胴体を鍛えるなら、これだけでもいい位に効きます。
トレーニングのポイント
- 両肘をついて脚を伸ばし、肘と足先だけで姿勢をキープする。
- 腰は曲げたり反らしたりせず、肩から脚まで一直線にする。
- この状態で30〜60秒キープする。できれば週3〜4回行うと良い。
- 慣れたら、片方の手を真っ直ぐ前に伸ばして、更に逆の方の脚を浮かせてみる。
- 腰は曲げたり反らしたりせず、肩から脚まで一直線にする。
- この状態で15〜30秒キープ、更に逆の手足でも行う。できれば週3〜4回行うと良い。
ニートゥエルボー(腹筋を鍛える)
立ったままできるので、場所を取らないのが取り柄です。
トレーニングのポイント
- 立った姿勢から上体を斜め下にひねると同時に脚を上げ、対角にある肘とひざを付ける。
- 慣れない内は、バランスを崩しやすいので注意。膝を若干曲げると良い。
- この状態で30〜60秒キープする。できれば週3〜4回行うと良い。
バランスボールの上に乗る(股関節やインナーマッスルを鍛える)
バランスボール(1000〜6000円程度)が必要です。
ボールから落ちて怪我をしない様、安全な場所で行って下さい。
トレーニングのポイント
- しっかり膨らませたバランスボールの中央に、膝をついて四つん這いで乗る。
- 1分間キープできたら、次は正座で乗って1分間キープする。
- 最初は股を開いて座ると安定する。慣れたら閉めていく。
- 更に、正座からお尻を浮かせて、膝立ちの状態で乗ってみる。
- 最終的に、乗ったまま、他の動作ができるようになれば完璧!
常に考え、イメージする
ボウリングは、意外に頭を使うスポーツです。
初級者から中級者は、自分の経験則で決まった投球ラインをイメージし、そこにしっかりボールが通るように努めます。
上級者になると、レーンのオイルコンディションを読み、イメージし、投球ラインを計算してから投球します。
そう、上達すればするほど、頭を使うことが多くなるのです。
と言うより、頭を使わないとスコアが上がっていかなくなります。
特にボウリングに必要なのは、「観察力」「イメージ力」「知識の引き出し」「柔軟な思考と決断力」といったところでしょうか。
勿論、巷にある「脳トレ」の書籍やゲーム、アプリで鍛錬するのも有効ですが、 基本的にはボウリングでの経験で養われるところが大きいので、普段の練習でコツコツと身に付けていくようにして下さい。
観察力を鍛えるポイント
- リリース直後からピンに当たるまでのボールの動き(ライン)や回転模様を観察する。
- ボールがピンに当たって、どういう風に弾けたのかを観察する。(特に6番ピン!)
- 大会試合中に、同じボックスの選手のラインを観察する。
イメージ力を鍛えるポイント
- 投球前に、これから投げるラインをレーン上にイメージする。
- ボールの動き(ライン)や回転模様から、オイルコンディションを推測する。
- 大会試合中に、同じボックスの選手の投球から、オイルコンディションを推測する。
- 自分自身や同じボックスの選手の投球から、今後のコンディションの変化を推測する。
知識の引き出しを増やすポイント
- ボウリングの書籍やウェブサイト、コーチや上級者から知識を得る。
- 覚えた投球・調整技術を試行し、実戦で使えるようにマスターする。
柔軟な思考と決断力を鍛えるポイント
- 次の投球に向けて、持てる知識や道具をフル活用し、組み合わせて考える。
- 今のラインにちょっとでも異変を感じたら、先手先手でラインを変えていく。
- 微調整が利かなくなったら、思い切ってラインを大きく変えてみる。
不安は練習で払拭する
何事も、本番で緊張やプレッシャーを感じることはあるでしょう。
これらを抱えたまま結果を出すのは難しく、一流のアスリートでも影響される難敵中の難敵です。
緊張やプレッシャーを生み出す根源は、選手自身の心の中に出没する欲求と不安です。
「勝ちたい」「高得点を出したい」「失敗したらどうしよう」「こんなはずじゃないのに」
この様な感情が、普段できるはずのプレーを乱れさせてしまいます。
緊張やプレッシャーに打ち勝つには、己を知ることと、 普段から中身の濃い練習をし、自信をつける(不安をなくす)ことが重要となります。
己の精神状態とスコアとの相互関係をチェックする
緊張した方がいい人、そうでない人、目標を明確に定めた方がいい人、そうでない人、 色々なタイプがあるので、自分がどういう状態の時に最高のパフォーマンスを発揮できるのか、 またはボロボロになっていくのか…、を知っておいて下さい。
一番いい方法は、スコアブックを付けておくことです。
スコアを書くのが面倒だと言う方は、どのゲームのどのフレームで、どういう精神状態だったのか、
だけでもメモしておくようにして下さい。
そのメモと、ゲーム終了後に貰えるスコアシートと比較すれば、 精神状態によってスコアがどう変わるかの傾向が見えてくると思います。
その傾向を覚えておけば、その後の精神コントロールにきっと役立つことでしょう。
自分自身の課題を練習でクリアしていく
ただ単に投げているだけ、スコアを打とうとするだけでは、練習として何の意味もなしません。
もちろん、体力・持久力を付ける為に投げ込みをすることも必要ですが、要は「目的意識を持って投げているか」が大事なのです。
試合でできなかったことがあるとします。
複数あれば優先順位を付けて、1回の練習につき1つずつ課題を設定してクリアしていきます。
できるようになり自信が付いたならば、次の試合でその不安が出てくることがなくなります。
中身の濃い練習を積み重ねていくことによって、技術的にも精神的にも成長し、着実に試合での結果が良くなっていくはずです。
色々遊んで試してみる
日々の練習の中で、1ゲーム位は変わったことをしてみるといいでしょう。
例えば、普段リスタイを着けているなら外してみたり、フックでなくバックアップで投げてみたり、 わざとロフトさせてみたりと、普段投げない方法で色々遊んでみるのです。
直接役に立たないスキルでも、何か発見があるかもしれません。
新しい技術に取り組むのも勿論ですが、こういったお遊びも、スキルの引き出しを増やすのに貢献してくれるはずです。
練習の息抜きにもなりますし、新しいことに色々チャレンジするゲームを設けましょう。
数人打ちでゲームする
1人で投げていても、レーンコンディションの変化が少なすぎて、試合になるとなかなか付いていけなくなってしまいます。(シングルアメリカンなら尚更…)
そこで、時々はボウラー仲間3〜4人で練習することをお勧めします。
勿論その方が楽しいですし、何より試合に近いレーンコンディションの変化が体験できるのが大きいです。
また、悪い所を見てもらえたり、色々情報を得ることもできると思います。
1人でじっくり練習する時と、上手く織り交ぜていけるといいでしょう。
今、できることをしよう。
試合本番では、前以って結果のことは考えず、今まで培ってきた技術や感覚を信じて、勇気を持って打ち切れるように心掛けましょう。
「今、できること」だけをやりさえすれば、必ず結果は付いてきます。
例え失敗したとしても、次から挽回すればいいのです。
その時に、しっかり気持ちを切り替えられるかが、その後のスコアに大きく影響してきます。
普段から対応法の引き出しを増やしておけば、試合中に何があっても冷静に対処できます。
自分の対応能力の限界を超えてしまった場合でも、一度深呼吸して落ち着かせましょう。
焦ってしまうと、視野が狭くなり、柔軟な思考ができなくなってしまいます。
最悪わからなくなったら、思い切ってラインやボールを大きく変えてしまいましょう。
それで「えいやっ!」と投げたら、意外と上手くいくかもしれません。
勿論失敗もありますが、勝負している訳ですから、そのまま何もせずにズルズルと後退していくよりは、遥かにマシだと思います。
兎にも角にも、最初から最後までしっかり精神をコントロールし、ゲームに集中することができれば最高です。